ヒエロニムスマシン

ヒエロニムスマシンとは

ヒエロニムスマシンは、アメリカの電気技術者トーマス・ガレン・ヒエロニムスによって発明されたと主張される装置の総称です。この装置は、「エロプティック・エネルギー」という、光学的特性と電気的特性を併せ持つとされる未知のエネルギーを扱うとされ、疑似科学的なものとして扱われています。

その特徴は、装置の出力や精度が使用者の精神力に左右されたり、実際の電子部品を使用せず、回路図のみで効果を発揮するといった、超能力に近い性質を持つとされている点です。そのため、現代科学においてはほとんど認められていません。

ヒエロニムスマシンは、物質から放射されるエロプティック・エネルギーを測定・放射することで、遠隔的に人や動物、植物の病気の診断や治療、土壌のパワーアップ、害虫駆除など、幅広い分野に応用できるとされていました。対象物の写真を用いて診断や治療を行うことも可能だったと主張されています。

特許取得

ヒエロニムスは1946年にこの発明を「鉱物放射検知器」として特許申請し、1948年にアメリカで特許番号2482773を取得しています。

使用方法

測定においては、センサー部で捉えた波動を内部回路で増幅し、検出部のパッドに置いた指先の感覚の変化で検知するとされます。つまみを操作し、エネルギーと同調すると指先の感覚が変化すると言われています。放射は、測定時に得られたつまみの数値に合わせることで行うとされていました。

エピソード

ヒエロニムスは、隣人から譲り受けたアルバート・エイブラムスのラジオニクス装置を基に、この装置を発明したとされています。装置の原型は1920年頃までに完成し、その後20年ほど改良が続けられました。

1968年には、アポロ8号とアポロ11号の乗組員の健康診断を地上からヒエロニムスマシンを使って行ったとされています。その測定結果は、後にNASAが発表したものと一致したという主張も存在します。

また、ヒエロニムスはこの装置を用いて、遠隔地から害虫駆除を行ったとも伝えられています。有名なエピソードとして、ニューヨークのマグローヒル出版社のエド・ハーマンが毛虫の駆除を依頼した話があります。ヒエロニムスは、サンプルとして毛虫数匹と、毛虫がいる樹木の写真とそのネガ、そして試薬を装置にセットし、装置のダイヤルを操作することで、500km離れた場所から毛虫を駆除したとされています。ユカコ社でも同様の方法で害虫駆除の成果を上げたとされています。

SF専門のパルプ・マガジン『アスタウンディング・サイエンス・フィクション』の編集長、ジョン・W・キャンベルは、ヒエロニムスの特許を基に装置を製作して実験を行っていました。彼は、装置のスイッチを入れ忘れていたにもかかわらず装置が作動したことに気づき、装置の部品を徐々に取り去っていき、最終的には、紙に書いた装置の回路図だけでも動作することを確認したとされています。

関連項目

疑似科学

大衆文化への影響

ウルトラQ dark fantasy - 特撮テレビドラマ。第5話「ヒエロニムスの下僕」に登場。
* 地獄先生ぬ〜べ〜 - 漫画。第101話に登場。

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