ヒガシシマドジョウ

ヒガシシマドジョウについて

ヒガシシマドジョウ（東縞泥鰌、Cobitis sp. BIWAE type C）は、日本特有のシマドジョウの一種であり、以前は東日本グループとして知られていました。現在、正式な学名は確定していませんが、その独特な生態や形態が注目されています。

分布地域

この魚は主に日本の本州東北地方、関東地方、そして新潟県の東部、長野県の信濃川水系、さらには山梨県や静岡県の東部、さらには佐渡島に生息しています。彼らは河川の中流域に存在し、砂や礫の底に生息することが多く、砂に身を潜める行動を取ります。

形態的特徴

ヒガシシマドジョウは全長で約11cm程度成長し、関東地方の個体では8cm程度になることが一般的です。他のシマドジョウであるニシシマドジョウと比べると、体側の黒い斑点は小さく、斑点同士の距離も広めです。尾鰭の基部には、眼径と比較して小さな黒斑点が2つ並びますが、これらは不明瞭です。また、骨質盤の形状は狭い包丁状または棒状をしており、尾鰭には成魚特有の不規則な縞模様が現れます。胸鰭と腹鰭との間にある筋節の数は通常15ですが、場合によっては14の場合もあります。さらに、第1分枝軟条の上片は太めというのも特徴的です。

生態と繁殖

ヒガシシマドジョウは、口から砂を取り入れ、その中にいる小さい動物やデトリタス（有機物の残骸）を食べます。繁殖期は5月から6月にかけてであり、本流に流れ込む細い支流に遡上し、そこで産卵を行います。このように、特定の環境を選択して繁殖する傾向があります。

利用と食文化

一般的には食用としてはあまり扱われないものの、関東地方では高級魚として利用されてきました。特に旬の時期である5月には、栃木県の鬼怒川周辺では天ぷらやから揚げ、煮物、卵とじ、さらにはなれずしとして多様に調理され、楽しむことができます。加えて、観賞魚としても人気があり、ペットショップなどで販売されることもあります。

地方名と地域ごとの呼称

ヒガシシマドジョウにはさまざまな地方名が存在します。例えば、青森県ではカナンべやカンベドンジョ、岩手県ではチョロヘやスナメグリといった名称で呼ばれています。他にも秋田県のカナメ、群馬県のギノメ、栃木県のスナハギ、千葉県の様々な名称など、広い地域で多くの呼称が見られます。

下位分類

ヒガシシマドジョウはさらに地域ごとに細分化されており、東北地方の型や関東地方の型、甲信越地方の型に分類されます。これらはそれぞれ異なる特徴を持っており、生息環境や大きさ、繁殖行動などにも違いがあります。特に甲信越のヒガシシマドジョウは、他の種とのDNAの特徴が重複する部分もあり、将来的な研究によって新種と認定される可能性もあると考えられています。

まとめ

ヒガシシマドジョウは、日本固有の豊かな自然環境が育んだ特異な魚です。その生態や形態は魅力的であり、多様な地域文化に根付いた呼称や利用法も興味深いものがあります。今後も研究が進むことで、さらなる理解が深まることが期待されています。

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