ヒゴタイ

ヒゴタイ（Echinops setifer）

ヒゴタイは、キク科ヒゴタイ属に分類される多年生の植物です。その名の由来は、古い文献において「平江帯」や「肥後躰」といった漢字で表記されていたことに遡ります。

特徴

ヒゴタイは、日当たりの良い山野に自生します。葉はアザミに似ており、深い切れ込みと棘を持つのが特徴です。夏から秋にかけて（8月から9月頃）、花期を迎えます。花茎は直立して1～1.5mほどの高さにまで成長し、その先端に直径約5cmの球状の花を咲かせます。この球状の花は、瑠璃色の小さな花が多数集まって形成されたもので、一株から複数の花を咲かせることがあります。

分布

ヒゴタイは、朝鮮半島の南部から西日本にかけて分布しています。日本国内では、愛知県、岐阜県、広島県、そして九州地方の限られた地域で見ることができます。特に、九州中部の九重山から阿蘇山周辺の草原地帯は、ヒゴタイの自生地として知られていますが、近年では野生種に加えて、種をまいて増やした株も多く見られるようになっています。

保護状況

ヒゴタイは、環境省のレッドリストにおいて絶滅危惧II類 (VU) に指定されており、保護の対象となっています。これは、野生個体数が減少しており、絶滅の危機に瀕していることを意味します。以前の環境省レッドデータブックでは、絶滅危惧IB（EN）に分類されていました。

象徴

ヒゴタイは、その美しい姿から、広島県神石高原町と熊本県産山村において、それぞれ町の花、村の花として定められています。

関連項目

ヒゴタイ公園

外部リンク

熊本大学・薬用植物園（薬用植物学分野）
* 宮城教育大学・oNLINE植物アルバム

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