ヒバリのこころ (アルバム)

スピッツ インディーズミニアルバム『ヒバリのこころ』

『ヒバリのこころ』は、日本のロックバンド・スピッツが1990年3月21日にミストラルからリリースしたインディーズミニアルバムです。スピッツにとって唯一のインディーズ時代のCD作品であり、その後の彼らの音楽活動を語る上で非常に重要な一枚となっています。

概要

このアルバムは、スピッツがインディーズ時代に唯一リリースしたCD作品です。初回プレスは2,000枚と少数でしたが、当時はほとんど売れずに終わりました。しかし、シングル『ロビンソン』でのバンドの大ブレイク後、その希少性からプレミアが付き、中古市場では高値で取引されるようになりました。ピーク時には10万円近い値段で取引されたこともあります。エンジニアは、新宿ロフトのPAエンジニアだった牧野英司が担当しており、彼はその後もスピッツのメジャーデビュー後の作品をいくつか手がけることになります。

1999年に発売されたスペシャルアルバム『花鳥風月』には、本作に収録されている「トゲトゲの木」と「おっぱい」の2曲が収録されました。さらに、2021年発売の『花鳥風月+』では、本作の全収録曲が収録され、ファンにとっては待望の再リリースとなりました。当時のインタビューによると、使用していた機材は、草野が「ヤマハの5万円くらいのアコギ」、三輪が「3万円くらいのテレキャスター」だったとのことです。

収録曲

1. ヒバリのこころ
2. トゲトゲの木
3. 353号線のうた
4. 恋のうた
5. おっぱい
6. 死にもの狂いのカゲロウを見ていた

楽曲解説

ヒバリのこころ
この曲は、後にアレンジが加えられ、スピッツのデビューシングルとしてリリースされました。インディーズ版とメジャーデビュー版では、歌詞の一部が異なっています。この曲はスピッツの代表曲の一つであり、多くのファンに愛されています。
トゲトゲの木
本作のために書き下ろされた曲で、スピッツがレコーディングを前提として演奏したのは、この曲が初めてでした。この曲の歌詞が「現代詩のよう」と評されたことがきっかけで、草野は現代詩を愛読するようになったそうです。1999年にリリースされたスペシャル・アルバム『花鳥風月』にも収録されています。
353号線のうた
この曲は、群馬県桐生市から新潟県柏崎市へ至る実在の国道353号をモチーフにしています。コーラスには、アニメ『キテレツ大百科』の主題歌「スイミン不足」を歌っていたバンド・CHICKSが参加しています。
恋のうた
草野がアコースティックギターで作曲した初めての曲です。2ndアルバム『名前をつけてやる』に収録されたバージョンとは異なり、歪んだリズムギターとキーボードのアレンジが特徴です。
おっぱい
タイトルに関して、草野は「おっぱいって言っちゃうことで逆にエッチじゃなくなってる。」「遠回しに言う方が逆にエッチだったりするよね。」と語っています。この曲も、「トゲトゲの木」と共に『花鳥風月』に収録されています。
死にもの狂いのカゲロウを見ていた
作詞・作曲は草野正宗、編曲はスピッツが担当。1991年のライブの模様が、ライブDVD『ジャンボリー・デラックス』に一部収録されています。

脚注

出典

関連項目

1990年の音楽

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