ヒメアオキ

ヒメアオキ（姫青木）

ヒメアオキ（学名: Aucuba japonica var. borealis）は、アオキ属に分類される常緑低木の一種です。アオキの変種であり、主に日本の日本海側の多雪地帯に分布しています。アオキと比較して全体的に小型であることが特徴です。

形態と生態

ヒメアオキは、高さ約1メートル程度まで成長します。幹は直立せず、積雪の重みに耐えるように横方向に這うように成長し、葉をつける部分で斜め上に向かって立ち上がります。この独特な生育形態は、積雪地帯の厳しい環境に適応した結果と考えられています。

葉は長楕円形をしており、葉の縁には粗い鋸歯が見られます。葉の形状もアオキよりやや小さい傾向があります。

ヒメアオキは雌雄異株であり、雄株と雌株が存在します。花期は3月から5月にかけてで、小さい褐色の花を咲かせます。花は目立つものではありませんが、春の訪れを静かに告げます。

果実は卵形の液果で、中に種子を1個含んでいます。秋頃から赤く熟し始め、美しい色彩で冬の forest を彩ります。果実は翌年の開花時期まで枝に残ることがあります。

分布と生育環境

ヒメアオキは、北海道から本州にかけての日本海側の多雪地帯に分布しています。山地の林内や林縁など、やや日陰になる場所に自生することが多く、ブナ林の林床などで見られます。エゾユズリハ、ユキツバキ、ヒメモチ、ツルシキミ、ハイイヌガヤといった、日本海要素を持つ常緑の地這植物と共に見られることがあります。これらの植物群は、多雪地帯特有の植生を構成しています。

脚注

茂木透写真『樹に咲く花 離弁花2』高橋秀男・勝山輝男監修、山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑〉、2000年、658-659頁。ISBN 4-635-07004-2。

関連項目

木の一覧
アオキ (植物)

外部リンク

Aucuba japonica Thunb. var. borealis Miyabe & Kudô - Germplasm Resources Information Network (GRIN). Agricultural Research Service (ARS), United States Department of Agriculture (USDA). 2014年1月16日閲覧。 （英語）
Aucuba japonica var. borealis - National Center for Biotechnology Information（NCBI） (英語).
ヒメアオキ - 植物図鑑・撮れたてドットコム. 2014年1月16日閲覧。

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