ヒメノアサガオ

ヒメノアサガオ（Ipomoea obscura）

ヒメノアサガオは、ヒルガオ科に属するつる性の多年生草本で、学名はIpomoea obscuraです。この植物は主に熱帯アジアを原産とし、今ではオーストラリアやアフリカなどにも広がっています。沖縄県内のさまざまな地域、特に沖縄島、南大東島、石垣島、与那国島などで見かけることができます。

特徴

ヒメノアサガオの茎は非常に細く、表面には白色の毛が生えています。この茎は地面に接する部分から根を出し、その長さは2メートルから5メートルに達することがあります。葉は互生し、長い葉柄を持ち、形状は心形であり、長さは2センチから8センチ程度です。葉先は鋭く尖っており、基部は深く湾入しています。葉の縁は滑らかで、全体的に整った形をしています。

花は腋生の花柄に単生で咲き、花冠の直径は約2.5センチです。花の色は白または淡黄白色で、花筒の底部には暗紫色が少し見られます。萼は無毛となっており、花が終わると花梗が肥大化し、下に垂れ下がる特徴があります。

分布と生育環境

ヒメノアサガオは熱帯アジアが原産ですが、帰化植物として世界中に分布しています。特にオーストラリアやアフリカ、台湾などで広く見られるようになりました。沖縄においても多様な地域で見られることから、この地域の生態系の一部を形成しています。かつてこの植物は自生種と誤って認識され、沖縄県のレッドデータブックにおいて危急種として指定されたこともありましたが、その後、指定は解除されています。現在では、特に保護される必要はないとされる種となっています。

脚注

この情報は、多くの文献に基づいています。米倉浩司と梶田忠による「ヒメノアサガオ」に関する研究や、「日本帰化植物写真図鑑」にて詳しい記載がなされています。また、沖縄県における外来植物の目録に影響を与える研究結果も、ヒメノアサガオの生育状況を理解するための重要な資料になっています。

参考文献

• - 米倉浩司; 梶田忠 (2003年). “ヒメノアサガオ”. BG Plants 和名－学名インデックス (YList). 2024年2月8日閲覧。
• - 植村修二 ほか『日本帰化植物写真図鑑：Plant invader 500種』 2巻、全国農村教育協会、東京都台東区、2010年。ISBN 9784881371855。
• - 梶田結衣; 米倉浩司; 遠山弘法; 赤井賢成; 天野正晴; 阿部篤志; 山本武能; 設樂拓人 ほか「沖縄県西表島における外来植物目録」『大阪市立自然史博物館研究報告』第76号、大阪市立自然史博物館、125–141頁、2022年。ISSN 0078-6675。
• - 池原直樹『沖縄植物野外活用図鑑』 7巻《シダ植物～マメ科》、新星図書出版、那覇、1989年。

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