ヒュンダイ・ツーソン

ヒュンダイ・ツーソン：進化を続ける小型SUV

ヒュンダイ・ツーソンは、韓国の自動車メーカー、ヒュンダイ自動車が製造する小型クロスオーバーSUVです。起亜自動車のスポーテージと姉妹車関係にあり、世界各国で販売されている人気モデルです。日本市場においては、初代モデルが「ヒュンダイJM」として導入された経緯があります。

初代ツーソン（JM型：2004年-2009年）

初代ツーソンは、エラントラをベースに開発されました。サンタフェよりも一回りコンパクトなボディながら、ワイドフェンダーオプションを設定することで存在感を際立たせていました。エンジンは、2.0L直列4気筒ガソリン、2.7L V型6気筒ガソリン、そして韓国やヨーロッパ市場向けには2.0L直列4気筒ディーゼルエンジンが用意されました。駆動方式はFFと4WDの2種類がラインナップされていました。

日本市場では、「ヒュンダイJM」という車名で販売されました。これは、2002年以降、日本の商標制度で地名を商標登録できなくなったため、開発コード名をそのまま車名として使用したためです。2004年9月に発売開始され、2.0L FFモデルと2.7L 4WDモデルが設定されました。さらに、本革シートやサンルーフ、ワイドフェンダーなどを含むオプションパッケージも用意され、幅広い顧客のニーズに対応しました。この初代モデルは、日本でグッドデザイン賞を受賞しています。

2代目ツーソン（LM型：2009年-2015年）

2009年には、2代目ツーソンが発表されました。開発には3年以上の歳月と巨額の費用が費やされ、YF型ソナタのプラットフォームを採用。2.0Lガソリンエンジンと、環境性能に優れた2.0Lディーゼルエンジンが搭載されました。トランスミッションは6速ATのみの設定です。

このモデルから、地域によって車名が変更されました。北米では「ツーソン」を継続使用した一方、韓国では「ツーソンix」、ヨーロッパなどでは「ヒュンダイix35」と改名されました。

2代目ツーソンは、足踏み式パーキングブレーキや大型ガラスサンルーフ、自発光式メーターなど、クラスを超えた上質な装備が充実していました。また、欧州市場向けの広告において、問題となるCMが制作されたことは記憶に新しいでしょう。

衝突安全性能においても高く評価され、2011年には米国道路安全保険協会（IIHS）の小型SUV衝突安全試験で最高評価を獲得しました。生産は、韓国の蔚山工場に加え、欧州向けは起亜自動車のスロバキア工場でも行われました。

3代目ツーソン（TL型：2015年-）

3代目ツーソンでは、「fluidic sculpture 2.0」デザインを採用し、より流麗で洗練されたスタイルとなりました。安全性能の向上にも注力し、超高張力鋼の使用比率を大幅に高め、自動緊急停止装置（AEB）を韓国製SUVとして初めて搭載しました。エンジンは、2.0Lと1.7LのCRDiディーゼルエンジンが用意され、トランスミッションには6速AT、6速MT、そして新開発の7速DCTが組み合わされました。

また、個性的な内外装カラーが魅力の「フィーバー」シリーズも設定されました。2016年のIIHSの小型SUV衝突安全試験では、最高評価である「トップセーフティピック+」を獲得し、その高い安全性が証明されました。

4代目ツーソン（NX4型：2020年-）

最新の4代目ツーソンは、パラメトリック・ヒドゥンライトと呼ばれる特徴的なフロントグリルや、ワイドなテールランプなどを採用し、スポーティで存在感のあるデザインとなりました。10.25インチフルタッチスクリーンやApple CarPlay、Android Autoなど、先進的なインフォテインメントシステムも搭載されました。ボディサイズは拡大され、ホイールベースも2種類が用意され、地域によって設定が異なります。

名称の由来

車名の「ツーソン」は、アメリカ合衆国アリゾナ州の都市ツーソンに由来しています。初代モデルの日本名「ヒュンダイJM」のJMは「ジョイフル・ムーバー」の略称です。

まとめ

ヒュンダイ・ツーソンは、初代モデルから現在まで、デザイン、性能、安全面で着実に進化を遂げてきました。常に時代のニーズに対応し、世界市場で競争力を維持する、ヒュンダイを代表する小型SUVとして、今後もその進化は続いていくでしょう。

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