ヒョンデ・コナ

コナ：現代自動車のグローバル小型SUV

現代自動車から発売されているコナは、世界市場をターゲットとした小型クロスオーバーSUVです。ガソリン、ハイブリッド、そしてEV仕様と、パワートレインのバリエーションも豊富です。日本市場では、環境性能に優れたEV仕様のみが販売されています。

開発背景と競合車

世界中で人気を集める小型SUV市場において、コナは現代自動車の戦略車種として位置付けられています。ツーソンよりも小型のSUVとして、既存モデルのix25（クレタ）とは別に新たに開発されました。

競合車種は国内外に多数存在し、韓国国内では、双竜自動車のティボリ、ルノーサムスンのQM3（ルノー・キャプチャー）、シボレー・トラックスなどが挙げられます。グローバル市場では、日産ジューク、キックス、ホンダヴェゼル、プジョー2008、フィアット500X、ジープ・レネゲード、トヨタC-HR、マツダCX-3、ラックスジェンU5、アウディQ2など、多くのライバル車種と競争を繰り広げています。市場や地域によっては、商標権の関係で「エンシノ」や「カウアイ」といった名称で販売されていることもあります。

初代コナ (OS型): 2017-2023年

初代コナは2017年6月に韓国で発表され、発売が開始されました。海外市場向けには、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、そして複数のトランスミッションを用意。韓国市場では1.6L直列4気筒ディーゼルと1.6L直列4気筒ガソリンターボが設定され、7速DCTが組み合わせられました。ガソリン車には4WD仕様も用意されました。

キア・ストニックとプラットフォームを共有する兄弟車ですが、寸法やデザイン、駆動方式などに違いを持たせています。走破性を高めるため、ホイールハブはストニックの4穴から5穴に変更されています。

2019年には、デトロイトモーターショーで「北米カー・オブ・ザ・イヤー2019 SUVカー・オブ・ザ・イヤー」を受賞するなど、高い評価を得ました。

コナN: ハイパフォーマンスモデル

2021年には、コナのスポーツモデルである「コナN」が発表されました。Nブランド初の高性能SUVとして、ヴェロスターNに搭載された2.0L GDiターボエンジンを搭載。最高出力280PS、最大トルク392Nmを発生し、Nグリンブーストモードでは一時的に最高出力が290PSにまで向上します。8速DCTと組み合わされ、スポーティな走りを実現しています。内外装も専用設計となっており、専用色としてパフォーマンスブルーが設定されています。

コナ・エレクトリックの大規模リコール

2018年以降、コナ・エレクトリックでバッテリーセルに起因する火災が発生し、大規模なリコールが行われました。韓国国土交通部は、LG化学製のバッテリーセルの製造不良が原因であると発表しました。リコール対象となったのは2017年9月から2020年3月までに生産された車両で、韓国国内と海外市場で合計約7万6000台にのぼります。

2代目コナ (SX2型): 2023年〜

2023年には、フルモデルチェンジを果たした2代目コナが発売されました。K3プラットフォームを採用し、初代モデルよりも全長、全幅、ホイールベースが拡大。エクステリアデザインも一新され、より洗練されたスタイリングとなっています。

初代では後付けだったBEV仕様は、2代目では開発段階からBEV仕様を考慮した設計となっています。スポーツモデルのコナNは廃止され、N Lineが新たなスポーティグレードとして設定されました。N Lineは内外装、そしてサスペンションのセッティングが通常モデルと異なります。

日本市場での展開

日本市場では、2代目コナのBEV仕様が導入されました。2023年9月に先行予約販売を開始し、10月にはジャパンプレミアが開催されました。日本市場向けのCMには、アーティストのyamaとキタニタツヤがコラボレーションした楽曲が使用されました。

日本仕様は、右ハンドル仕様の他国モデルとはドライブモードのセッティングが異なり、日本の道路事情に最適化されています。給電口はスライド式に変更され、日本の充電規格に対応しています。グレードは「Casual」「Voyage」「Lounge」の3種類で、Loungeにはツートーンカラーが設定されています。日本独自の「デニムブルーマット」も用意されています。航続距離はグレードによって異なり、最長で541kmを誇ります。

価格は、日本で販売されているSUVタイプの電気自動車の中では最も低い価格帯から設定され、補助金適用で200万円台で購入できる地域もあります。2024年にはスポーティグレードの「N Line」と、オフロードテイストの特別仕様車「Mauna Loa」が追加されました。

車名由来

コナ、エンシノ、カウアイといった車名は、いずれもアメリカ合衆国の地名に由来しています。ハワイ島のコナ地区、ロサンゼルスのエンシノ地区、そしてハワイ諸島の一つであるカウアイ島など、旅や旅行をイメージさせる地名が採用されています。

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