ヒルムシロ科

ヒルムシロ科（Potamogetonaceae）について

ヒルムシロ科は、単子葉植物に属する科で、主に淡水や汽水域に生育する沈水性の多年草です。世界中に広く分布しており、特にヒルムシロ属（Potamogeton）が約60種と多様性に富んでいます。

分類

かつてクロンキスト体系では、ヒルムシロ科は3属80種ほどで構成され、イバラモ目に分類されていました。しかし、APG植物分類体系ではオモダカ目に分類され、さらに旧イトクズモ科（Zannichelliaceae）を含めることで、8属約100種に拡大されました。カワツルモ属（Ruppia）をヒルムシロ科に含める分類もありますが、多くはカワツルモ科（Ruppiaceae）として独立させています。

属

ヒルムシロ科には、以下の属が含まれます。

Groenlandia
ヒルムシロ属（Potamogeton）：ヒルムシロなど
Stuckenia

旧イトクズモ科に分類されていた以下の属も、現在ではヒルムシロ科に含められています。

イトクズモ属（Zannichellia）
Althenia
Pseudalthenia
Lepilaena
Vleisia

特徴

ヒルムシロ科の植物は、水底に根を張り、茎を水中に伸ばす沈水性の水草です。葉には細長い水中葉の他に、種によっては水面に浮く広い葉を持つものもあります。葉は対生または互生します。

花は両性または単性で、穂状または散房花序につきます。花被は持たず、雄しべの葯隔が花被のように見えることがあります。雄しべは4個、雌しべは1個で、4つの心皮から構成されています。果実は核果または痩果で、中に1つの種子を含みます。

生育環境

ヒルムシロ科の植物は、池、湖、川、用水路など、様々な淡水環境や汽水環境に生育しています。水質に対する適応力も高く、多様な環境で見られます。

生態

これらの植物は水生生態系において、重要な役割を果たしています。水生生物の隠れ家や産卵場所となり、水中の栄養循環にも関与しています。また、水鳥の餌となることもあります。

代表的な種

ヒルムシロ属は特に多様で、日本でもヒルムシロ（Potamogeton distinctus）をはじめ、多くの種が見られます。種によって葉の形や花の付き方など、様々な特徴があります。

活用

ヒルムシロ科の植物は、観賞用として利用されることもあります。水槽やビオトープなどで栽培されることがあり、水景を彩る役割を果たします。

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