ヒロイン (back numberの曲)

back number「ヒロイン」：ロングヒットを記録した代表曲

2014年2月、back numberにとって11枚目のシングル「ヒロイン」がリリースされました。
前作「繋いだ手から」から約10ヶ月ぶりとなる本作は、初回盤と通常盤の2形態で発売され、大きな話題となりました。

特に初回盤は、同曲のミュージックビデオに加え、横浜アリーナで行われたライブツアー「love stories tour 2014 ～横浜ラブストーリー2～」のダイジェスト映像を収録したDVDが付属。
ジャケット写真には、当時JR東日本『JR SKI SKI』のCMキャラクターを務めていた人気女優、広瀬すずさんが起用され、大きな注目を集めました。
通常盤のジャケット写真は、ボーカルの清水依与吏さんが北海道で撮影したものです。
初回プレス分には、ライブハウスツアーチケットの先行抽選応募シリアルナンバーが封入されており、ファンにとって嬉しい特典となっていました。

その売上は驚異的でした。初週売上は約2万9000枚を記録し、前作を大きく上回る自己最高の記録を樹立。
さらに、前シングル「fish」の累計売上枚数（約2万1000枚）をも初週だけで超える快挙を達成しました。
デジタル配信でも高い人気を誇り、iTunesトップソングでは9日連続1位を獲得するなど、その人気は数字にも如実に表れていました。

現在では「高嶺の花子さん」「クリスマスソング」と並び、back numberを代表する楽曲の一つとして広く認識されています。

「ヒロイン」は、単なるヒット曲に留まりません。その魅力は、楽曲制作の裏側にも見ることができます。
作曲・作詞は清水依与吏さん、編曲はback numberと小林武史さん、ストリングスアレンジは小林武史さんと四家卯大さんが担当。
プロデューサーにも小林武史さんが名を連ね、作曲段階から共同で制作に携わったという、豪華な制作陣による作品です。
イントロの印象的なオルガンフレーズなども、小林武史さんのアイデアによるものです。
実は、この楽曲には「電子レンジ」という仮タイトルが付けられていたという、意外なエピソードも残されています。

さらに、この曲の原型となる楽曲は、2010年頃には既に存在していたとのこと。
「アーバンライフ」と「アップルパイ」という2つの楽曲が、今回の「ヒロイン」収録にあたりアレンジを加えられ、生まれ変わったのです。
特に「アップルパイ」は、2ndアルバム『スーパースター』収録の「リッツパーティー」と同時期に制作された楽曲で、ギターフレーズなどが変更され、新たな魅力を加えられています。

「ヒロイン」は、JR東日本『JR SKI SKI』CMソング、そしてキリン『淡麗グリーンラベル』CMソング「GREEN JUKEBOX 雪篇」にも起用され、幅広い世代に浸透していきました。
2019年には、清水依与吏さんによる弾き語りバージョンが「GREEN JUKEBOX 雪篇」で使用され、楽曲の新たな一面を提示しました。

「ヒロイン」は、back numberの音楽性と、小林武史さんという巨匠とのコラボレーションによって生まれた、まさに奇跡的な楽曲と言えるでしょう。
その美しいメロディー、覚えやすく心に残る歌詞、そして、楽曲に込められた想いは、多くの人々の心を掴んで離しません。
リリースから時が経った今でも、多くの人々に愛され続ける「ヒロイン」は、back numberというバンドの、そして日本の音楽史における、重要な一曲として輝き続けています。

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