ビェルスコ公国

ビェルスコ公国：シロンスク地方の歴史

ビェルスコ公国は、シロンスク公国群に属する国の一つで、その首都はビェルスコに置かれました。公国の歴史は、1572年にボヘミア王冠領の封土としてチェシン公国から分離・創設されたことに始まります。

公国の変遷

初代の領主ヴァツワフ3世は、公国をCharles Promitzに売却。その後、1582年にはAdam Schaffgotschの手に渡りますが、わずか10年後には再びSunnegh家へと所有者が変わりました。1724年にはHenry of SalmがPaństwo stanowe（State country）として購入し、公国の支配権を得ました。

1743年、フリードリヒ・ヴィルヘルム・フォン・ハウクヴィッツが領地を所有。1751年には、公国の地位はstatus maioresへと変更され、シレジア議会への代表派遣が可能となりました。これは公国の政治的な影響力が増したことを意味します。

1752年には、Aleksander Józef Sulkowskiがビェルスコstatus maioresを購入。同年、公国は侯国（Fürstentum）へと昇格し、一層の地位向上を果たしました。1754年11月2日、オーストリア大公マリア・テレジアはビェルスコ公国（Herzogtum Bielitz）を正式に創設。公爵はボヘミア王の臣下として位置づけられ、ビェルスコ公の称号保持者には公爵の称号、そして家族には侯爵の地位が与えられました。

自治公国からポーランドへ

ビェルスコ公国は、オーストリア領シレジアにおける自治公国として、1849年までその地位を保ちました。しかし、第一次世界大戦後の1920年、チェシン・シレジアの分割により、公国はポーランドの一部となりました。この分割は、ポーランドとチェコスロバキア間の国境を画定するものであり、ビェルスコ公国の歴史に終止符を打つ出来事となりました。

参考資料

* ŽÁČEK, Rudolf. Dějiny Slezska v datech. Praha: Libri, 2003. ISBN 80-7277-172-8.

ビェルスコ公国の歴史は、シロンスク地方の複雑な政治情勢と、各国の思惑が絡み合った歴史の一例と言えるでしょう。

もう一度検索