ビクトリア・コモワ

ビクトリア・コモワは、1995年1月30日、ロシアのヴォロネジで生まれた体操競技選手です。彼女は、2012年ロンドンオリンピックにおいて、女子体操競技の団体総合と個人総合で銀メダルを獲得しました。

コモワは4歳から体操を始めました。彼女の父親であるアレクサンドル・コモフも体操選手であり、母親のベラ・コレスニコワは1985年の世界体操競技選手権の団体総合と1986年のグッドウィルゲームズ個人総合で優勝しています。体操一家に育った彼女には、兄が1人います。

2009年に横浜で開催された国際ジュニア体操競技選手権では、2位の笹田夏実に3.7ポイントの大差をつけて優勝し、その才能を早くから開花させました。2010年のシンガポールユースオリンピックでは、個人総合、段違い平行棒、跳馬の3種目で金メダルを獲得し、ユース世代のトップ選手としてその名を轟かせました。

2011年の世界体操競技選手権では、個人総合でアメリカのジョーディン・ウィーバーに敗れて銀メダルとなりましたが、得意とする段違い平行棒では見事に金メダルを獲得しました。この頃から、世界のトップ選手として注目を集めるようになります。

初めてのオリンピックとなった2012年ロンドンオリンピックでは、個人総合でガブリエル・ダグラスに、団体総合でもアメリカに敗れ、2つの銀メダルを獲得しました。金メダルには届かなかったものの、その美しい演技と高い技術は世界中の観客を魅了しました。

コモワは段違い平行棒を得意としており、オリジナル技である「コモワ（E難度）」を発表しています。この技は、彼女の名前を冠した技として、体操界にその名を刻んでいます。

2016年リオデジャネイロオリンピックにも出場する意向を示していましたが、脊椎の持病を抱えたままトレーニングを続けることが難しくなったとして、残念ながら直前の6月中旬に現役引退を表明しました。しかし、彼女が残した功績は色褪せることなく、多くの人々に記憶されています。

コモワの体操に対する情熱と才能は、多くの若い体操選手たちに影響を与え、彼女の活躍はロシア体操界の歴史に永遠に刻まれることでしょう。

主な成績
2012年ロンドンオリンピック：団体総合 銀メダル、個人総合 銀メダル
2011年世界体操競技選手権：段違い平行棒 金メダル、個人総合 銀メダル
2010年シンガポールユースオリンピック：個人総合 金メダル、段違い平行棒 金メダル、跳馬 金メダル
2009年国際ジュニア体操競技選手権：個人総合 優勝

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