ビクトル・トロイツキ

ビクトル・トロイツキ：セルビアの誇り高きテニスプレイヤー

ビクトル・トロイツキ（Viktor Troicki）は、1986年2月10日生まれ、セルビア・ベオグラード出身の元男子プロテニス選手です。ATPツアーではシングルスで3勝、ダブルスで2勝を挙げ、自己最高ランキングはシングルスで12位、ダブルスで49位を記録しました。トロイツキは、セルビア代表としての貢献も大きく、2010年のデビスカップと2020年のATPカップでチームを優勝に導きました。

生い立ちとジュニア時代

トロイツキは、ロシア移民の家系である弁護士の父親と経済学者の母親の間に生まれました。5歳からテニスを始め、ジュニア時代には、2004年のウィンブルドン選手権ジュニア男子ダブルスでロビン・ハーセとペアを組み準優勝を果たしました。

プロとしてのキャリア

2006年にプロに転向し、下部大会で着実にランキングを上げていきました。同年10月には、ジャパン・オープン・テニス選手権でATPツアーデビューを果たし、予選を勝ち抜いて本戦に出場。1回戦でフェルナンド・ビセンテを破り、2回戦では第1シードのロジャー・フェデラーに惜敗しました。

2007年には、クロアチア・オープンで予選から勝ち上がり、2回戦で当時世界ランキング3位だった同じセルビアのノバク・ジョコビッチを破るという番狂わせを演じました。その後も勝ち進み、準決勝まで駒を進めました。

2008年には、全豪オープンでグランドスラムデビューを果たし、デビスカップセルビア代表にも初選出されました。シティ・オープンでは、自身初のツアーシングルス決勝に進出しましたが、フアン・マルティン・デル・ポトロに敗れました。

2009年には、ウィンブルドンで初めてシード選手として出場しました。

2010年は、トロイツキにとって飛躍の年となりました。クレムリン・カップでシングルスツアー初優勝を飾り、デビスカップ決勝では、最終戦でフランスのミカエル・ロドラを破り、セルビアを初優勝に導きました。この勝利は、セルビアのテニス史における重要な瞬間となりました。

2011年には、全仏オープンで初の4回戦に進出し、自己最高ランキングを更新しました。クレムリン・カップでは2年連続で決勝に進出しましたが、ヤンコ・ティプサレビッチに敗れました。

2012年には、ロンドンオリンピックに初出場しました。

出場停止処分と復帰

2013年、トロイツキはドーピング検査を巡る問題で1年間の出場停止処分を受けました。この処分は彼のキャリアに大きな影を落としましたが、2014年にツアーに復帰し、再びランキングを上げていきました。

2015年には、シドニー国際でツアー2勝目を挙げ、メルセデス・カップでも決勝に進出しました。深圳オープンでは、当時世界ランキング5位のダビド・フェレールを破るなど、復調の兆しを見せました。

2016年には、シドニー国際で連覇を達成しました。

2017年には、ソフィア・オープンでダブルス優勝を果たし、デビスカップ準々決勝では自己最速のサーブを記録しました。

引退

2018年以降はランキングが低迷し、2021年についに現役を引退しました。

ビクトル・トロイツキは、その才能と努力でセルビアのテニス界に多大な貢献をしました。彼のキャリアは、数々の困難を乗り越え、常に前向きな姿勢で戦い続けた証です。彼の活躍は、セルビアのテニスファンにとって永遠の記憶として残るでしょう。

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