ジャパン・オープン・テニス選手権

ジャパン・オープン・テニス選手権は、日本で10月初旬に開催される国際的なテニス大会です。男子はATPツアー500、女子はWTA250のカテゴリーに属し、それぞれ東京の有明コロシアムと大阪の靱テニスセンターを舞台に熱戦が繰り広げられます。大会の主催は日本テニス協会です。

本記事では、東京で開催される男子のATP500大会に焦点を当てて解説します。女子のWTA250大会については、ジャパン女子オープンテニスをご覧ください。

現在は、木下グループが特別協賛しており、「木下グループジャパンオープンテニスチャンピオンシップス」として開催されています。

歴史

1972年、田園コロシアムで第1回大会が開催されました。ただし、この大会は準備大会としての位置づけであり、選手は招待形式で参加したため、当時のグランプリ・シリーズの公式戦ではありませんでした。翌1973年の第2回大会から男子部門がATPツアーに編入され、大阪オープンに次ぐ日本で2番目のATPツアー公式戦となりました。女子部門は1983年大会からWTAツアーに編入されました。1983年からは、完成した有明テニスの森公園に会場を移し、クレーコートからハードコートへとサーフェスも変更されました。

1987年には、サントリーが冠スポンサーとなり、「サントリー・ジャパン・オープン」として大会規模を拡大。賞金総額を前年の19万5000ドルから65万ドルへと大幅に増額し、メイン会場も1万人を収容できる有明コロシアムへと移されました。また、開催時期も10月から4月へと変更されました。

1990年、男子トーナメントはアジアで初めてチャンピオンシップシリーズへと昇格を果たしました。しかし、2000年には再び10月開催へと変更されています。

1992年には、バブル崩壊の影響により、4億円の冠協賛金を拠出していたサントリーがスポンサーから撤退。当時日本テニス協会会長を務めていた小坂徳三郎氏が、東京都知事の鈴木俊一氏に協力を要請し、朝日生命と東京都がダブルスポンサーとして大会を支えることとなりました。自治体が賞金大会を協賛するという異例の事態でした。

1993年以降は、「東京フロンティア・朝日生命カップ」、「世界都市博覧会・朝日生命カップ」などを経て、2001年からはAIGグループの協賛により「AIGオープン」として開催されました。

2006年には、世界ランキング1位でグランドスラム優勝9回を誇るロジャー・フェデラー選手が初来日。大会7日間通算で7万2386人という大会記録を更新しました。

2008年3月、WTAが提示した2009年以降のツアースケジュールに対し日本テニス協会側が反発。その結果、2009年より女子部門はツアー下部のサーキット大会へと格下げされることとなりました。AIGも2008年限りでスポンサーを撤退し、ジャパン・オープンは男子（ATP）と女子（WTA）が分割開催されることとなり、大阪の靱テニスセンターで「HP JAPAN WOMEN'S OPEN TENNIS」として新たに開催されることになりました。ジャパン・オープン女子の部の歴史は、HP JAPAN WOMEN'S OPEN TENNISに引き継がれ、日本における国際大会は新たなスタートを切ることとなりました。また、2009年からはジャパン・オープン（男子）と同時開催される格下大会である女子のITFサーキットシリーズが、ジャパン女子オープンテニスの前哨戦として位置づけられ、優秀選手にはジャパン女子オープンテニスのワイルドカードが付与されることとなりました。同年より楽天が特別協賛となり、「楽天ジャパン・オープン・テニス選手権（楽天オープン）」として開催されました。

2010年からは、それまでNHK総合（シングルス）とGAORA（ダブルス）が放送していた大会の全日程がWOWOWによって独占放送されるようになりました。また、同年には世界ランキング1位でグランドスラム3冠、全仏オープン優勝5回を誇るラファエル・ナダル選手が初来日しました。2011年は東日本大震災の影響により女子大会が中止となり、以降は男子のみの開催となっています。

錦織圭選手が優勝した2014年には、大会史上最多となる8万5286人の入場者数を記録しました。準決勝および決勝戦はテレビ東京で中継されました。

2018年は、有明コロシアムの改修工事のため、武蔵野の森総合スポーツプラザ（室内ハードコート）で開催されました。

2020年と2021年は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響により中止となりました。

2022年には、3年ぶりに大会が開催され、第1回大会から50周年を迎えました。

2023年からは、木下グループが特別協賛となり、大会名も「木下グループジャパンオープンテニスチャンピオンシップス」へと変更されました。

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