ビサヤ諸島

ビサヤ諸島の概要

ビサヤ諸島はフィリピン中部に位置し、ルソン島とミンダナオ島の間に広がる島々から成り立っています。地元では「Kabisayaan」と呼ばれ、英語では「Visayas」と知られています。この地域は、セブ市を中心に形成されるメトロ・セブが重要な都市圏として存在し、フィリピンで第2位の規模を誇っています。

地理的背景

ビサヤ諸島は、約71,503平方キロメートルの広さを有し、フィリピンの国土の重要な3つのブロックの一つです。この地域は、ルソン島とミンダナオ島の間に位置し、フィリピンの国旗に象徴的に描かれた3つの星の一つとして認識されています。

この諸島は、多くの島から構成されており、主な島々は以下の通りです：

• - パラワン島 (Palawan)
• - パナイ島 (Panay)
• - ネグロス島 (Negros)
• - セブ島 (Cebu)
• - ボホール島 (Bohol)
• - レイテ島 (Leyte)
• - サマール島 (Samar)

歴史的背景

ビサヤ諸島には古い伝説があり、ボルネオの領主マカトゥナウの支配から逃れた10人の領主とその民がパナイ島に移り住んだとされています。彼らはアティ族と共に島々に定住し、独自の法典を作成しました。この出来事を祝う祭りが「アティ・アティハン」祭で、これはビサヤの人々の起源を示す重要な儀式です。

この伝説は、1907年にペドロ・アルカンタラ・モンテクラロによって出版された物語『マラグタス』によって広まりました。しかし、この物語はフィリピンの民族的歴史に影響を与えつつも、全てを正確に反映しているわけではありません。

また、ビサヤ諸島は「海のシルクロード」としても知られ、古くから貿易の中心地でした。前述のように、16世紀にはスペインの探検家たちがこの地域を訪れ、いくつかの地域を征服しました。特にミゲル・ロペス・デ・レガスピは、ビサヤ諸島を征服し、セブ市をフィリピン初の植民都市になりました。

行政区分

ビサヤ諸島は3つの地方に分かれており、全部で17の州に及びます。これからの情報では、それぞれの地方の主要な州を挙げます。

• - 西ビサヤ地方（Region VI）: パナイ島やネグロス島西部を含む地域で、主にイロンゴ語が話されます。主要な州はアクラン州やイロイロ州です。
• - 中部ビサヤ地方（Region VII）: セブ島やボホール島などを含む地域で、セブアノ語が主に話されます。主要な州はセブ州とボホール州です。
• - 東ビサヤ地方（Region VIII）: レイテ島やサマール島を含む地域で、ワライ語が話されています。主要な州にはレイテ州やビリラン州があります。

産業と文化

ビサヤ諸島は美しいビーチや豊かな自然環境に恵まれており、観光業の発展が期待される地域です。特にセブ市はフィリピン第2の都市圏として経済の中心地とされています。

ビサヤの住民は主にマレー系の子孫であるビサヤ人（Bisaya）であり、様々な言語が話されています。地域によってはイロンゴ語、セブアノ語、ワライ語が用いられ、英語やタガログ語も通じます。また、この地域には多様な文化的背景があり、宗教も多様です。

ビサヤ諸島は、歴史的な要素と自然の美しさを兼ね備えた魅力的な地域であり、観光地としての可能性も大いに秘めています。

もう一度検索