ビッグ・フィッシュ

映画『ビッグ・フィッシュ』

ティム・バートン監督による『ビッグ・フィッシュ』は、2003年に公開されたファンタジー映画です。本作は、ダニエル・ウォレスの著書『ビッグフィッシュ - 父と息子のものがたり』を原作に、ジョン・オーガストが脚本を手掛けました。この映画は公開翌年の2004年には第76回アカデミー賞作曲賞にノミネートされるなど、評価を集めました。また、2013年にはミュージカルとしても初演され、その後ブロードウェイでの上演も果たしました。

映画のテーマと構成

『ビッグ・フィッシュ』は、父子の和解をテーマにしており、それはティム・バートン自身の心の旅を反映したものとも言えるでしょう。この作品は、老エドワードの幻想的な回想と彼の現実における病室での最後の時が交互に描かれる構成が特徴です。華やかな回想シーンはバートンらしいファンタジー要素が際立ち、対照的な落ち着いた現実シーンとを織り交ぜることで、物語の深みを増しています。

映画のタイトル『ビッグ・フィッシュ』は、大きな嘘や誇大な物語を指す表現でもあり、クライマックスにおいてその意味が強調されます。この映画は、父の語るホラ話と息子の現実との間での葛藤を描いており、視聴者に感動を与えます。

あらすじ

物語は、ジャーナリストのウィル・ブルームが妻ジョセフィーンとの間に子供を授かり、父エドワード・ブルームの病気が報告されるところから始まります。ウィルは、幼い頃は父のユニークな話に夢中でしたが、成長するにつれてそれが虚構であることに気づき、次第に父との関係が疎遠になっていきます。特に結婚式の場で父が語った大物の魚を釣った話は、ウィルにとって不満の元となりました。

ウィルは父が病に倒れたとの連絡を受け、実家に向かいます。しかし、病床の父は病気にもかかわらず、相変わらずホラ話を続け、ウィルは彼の本当の姿を知りたいと思いつつも母や父との距離感が生まれてしまいます。

物語が進むにつれ、ウィルはエドワードが語る伝説的な過去を探求します。幼少期からの多くの冒険やサーカスでの体験、愛するサンドラとの運命的な出会い、さらには戦争の舞台裏におけるエドワードの勇気が展開されます。ウィルは徐々に父の意図や彼が周囲の人々にどれほど愛されていたかを理解し始めます。

クライマックスと結末

やがてエドワードは意識を戻し、ウィルに自分の最期の話をしてほしいと頼みます。その時、ウィルは父の語る空想の話に自らの経験を重ねて物語をまとめ、感動的な結末を迎えます。病院の外での出来事は、彼が出会った数々の人々が待つ美しいシーンを引き起こし、エドワードはついに「ビッグフィッシュ」として姿を消します。このシーンは、父と子の物語が巡り巡って、新しい世代に伝えられていく様子を象徴しています。

『ビッグ・フィッシュ』は、ファンタジーと現実を巧みに織り交ぜ、家庭の絆や愛情、そして自己理解を深める旅を描いた感動的な作品です。

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