ビットコインバブル

ビットコインバブルとその崩壊

2017年末、ビットコインは前例のない価格高騰を経験し、いわゆる「ビットコインバブル」が発生しました。2017年半ばから仮想通貨の将来性と高いボラティリティに注目が集まり、9月以降はバブルと言われる状況になりました。しかし、2018年1月には価格が暴落し、その要因は複数存在します。

価格高騰の背景

ハードフォークの成功

仮想通貨のハードフォークとは、ブロックチェーンの仕様変更により、通貨が分岐することを指します。2017年には大規模なハードフォークが実施され、当初は失敗が懸念されていましたが、結果として成功しました。この成功が価格上昇を後押ししました。しかし、2017年11月13日には、ビットコインキャッシュ（BCH）のマイニング効率がビットコイン（BTC）を上回り、BTCのハッシュパワーが低下。これが価格下落とバブル崩壊の一因となりました。

ビットコインキャッシュの配布

ハードフォークによって、ビットコイン保有者はビットコインキャッシュを無償で受け取ることができました。一般的にハードフォークが発生した場合、2つの通貨の合計価値はハードフォーク前と同等になるはずですが、ビットコイン価格が大きく上昇したため、ビットコインキャッシュが無償で付与されるという状況になりました。この状況に対し、日本の取引所では信頼性の観点からハードフォークによる新通貨の配布を停止する動きもありましたが、BINANCEのような海外取引所では、ハードフォークごとに新通貨を配布する方針を打ち出しています。

ビットコイン先物取引の開始

2017年12月、シカゴ・マーカンタイル取引所（CME）でビットコインの先物取引が開始されました。この動きを受け、日本でもナスダックや東京金融取引所でビットコイン先物取引の導入が検討されるようになりました。これにより、ビットコインの価格が一段と上昇しました。

投資マネーの流入

これまで金や銀などの貴金属に投資されていた資金が、ビットコイン市場に流入しました。投資家は、ビットコインが短期間で大きな利益を生む可能性に着目し、資金を投入しました。この影響で、ビットコイン価格が上昇すると同時に、金や銀の価格が下落する現象も見られました。

バブル崩壊の要因

中国の規制強化

中国政府は、2017年9月4日に仮想通貨への規制を強化する方針を発表しました。その背景には、マネーロンダリングや違法な海外送金への懸念がありました。また、中国の大手取引所であるBTC Chinaが2017年9月30日に取引を停止したことも、市場に大きな影響を与えました。これは、中国政府の規制強化の意向を受けたものです。

韓国の規制強化

韓国政府は、未成年者と外国人による韓国国内での仮想通貨取引を禁止しました。また、外国人と未成年者の銀行口座開設を認めない方針も打ち出しました。さらに、仮想通貨取引で得た利益に対する課税や、取引業者への認証を厳格化する方針も示しました。

その後の市場

これらの規制強化により、ビットコイン価格は急落し、バブルは崩壊しました。価格下落幅は28.7%に達し、これはリーマンショック時の下落幅を超えるものでした。

まとめ

2017年末のビットコインバブルは、ハードフォークの成功、ビットコインキャッシュの配布、先物取引の開始、そして投資マネーの流入によって価格が高騰しました。しかし、中国や韓国の規制強化によりバブルは崩壊し、市場は大きな調整局面を迎えました。この出来事は、仮想通貨市場が各国の規制や市場心理に大きく左右されることを示す事例として、注目を集めています。

脚注

外部リンク

ビットコインバブルが中国政府の意向により崩壊か
かそ部 仮想通貨の今後と将来性予想 | 2025年へ向けた仮想通貨の見通しとは
かそ部 仮想通貨ビットコインの本当の高騰 (上昇) 理由 | 今後これからの2025年を見据えた将来予測
日本経済新聞 仮想通貨バブルに転機　ビットコイン、1日で29%急落
* 韓国、仮想通貨への規制を強化へ--課税や未成年の取引禁止など

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