ビリーヴ (シェールの曲)

シェール「ビリーヴ」：時代を超えたダンスポップの金字塔

「ビリーヴ」（Believe）は、アメリカのシンガー・ソングライター、シェールが1998年に発表した楽曲。23枚目のアルバム『Believe』からのリードシングルとしてリリースされ、世界中で大ヒットを記録しました。革新的なボーカルエフェクトと、困難を乗り越える力を与えるメッセージが、多くの人々の心を掴みました。

世界を席巻したメガヒット

「ビリーヴ」は、全世界で1,000万枚以上を売り上げ、文字通り世界を席巻しました。2000年のグラミー賞では、最優秀レコード賞にノミネートされ、見事最優秀ダンスレコーディング賞を受賞。音楽史にその名を刻みました。

革新的な「シェール・エフェクト」

この曲の最大の特徴は、ピッチ補正ソフトであるオートチューンを大胆に使用したボーカルエフェクトです。この斬新な技術は「シェール・エフェクト」と呼ばれ、その後の音楽シーンに大きな影響を与えました。

チャートアクション

「ビリーヴ」は、Billboard Hot 100で99位でチャートイン後、着実に順位を上げ、1999年3月には4週連続で1位を獲得。VH1の「100 Greatest Songs of the 90's」では74位にランクインするなど、数々の記録を打ち立てました。

オーストラリアでは、ゼノマニア・ミックス・バージョンがラジオで頻繁にオンエアされ、日本でも1999年にミスMapsが日本語でカバーするなど、世界中で愛される楽曲となりました。

制作の舞台裏

この楽曲は、6人のソングライターと2人のプロデューサーによって制作されました。当初のタイトルは「strange one」でしたが、プロデューサーのマーク・テイラーによって「Believe」に変更されました。

テイラーは、シェールにダンスミュージックを歌わせたいという意向を受けつつも、既存のファンを遠ざけないように配慮したと語っています。シェールのボーカルは、3台のTASCAM DA88で録音され、iMac G3やCubase VSTなどの機材を用いて制作されました。

「シェール・エフェクト」誕生秘話

マーク・テイラーは、ヴォコーダーではオートチューンほどのエフェクトが作れないことに気づき、オートチューンを試したそうです。シェール自身がこのエフェクトを気に入ったことが、この曲の成功に大きく貢献しました。レコード会社がエフェクトを取り除こうとした際には、彼女が断固として反対したというエピソードも残っています。

批評家からの評価

ビルボード誌は、「ビリーヴ」を「シェールが長い間レコーディングしたものの中で、最もすばらしい作品」と評しました。

ミュージックビデオ

ミュージックビデオでは、シェールがナイトクラブのステージで歌う姿が描かれています。失恋した女性が、新しいガールフレンドといる元恋人に近づけない様子が表現されています。

「ビリーヴ」は、単なるヒット曲というだけでなく、音楽史における革新的な作品として、これからも多くの人々に愛され続けるでしょう。

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