ビリー・ザ・ベスト

ビリー・ザ・ベスト：時代を超えて輝くピアノ・マンの軌跡

ビリー・ジョエルの『ビリー・ザ・ベスト』は、彼の音楽キャリアを代表する楽曲を網羅したコンピレーション・アルバムシリーズです。1985年に発表された『ビリー・ザ・ベスト (1&2)』と、1997年に発表された『ビリー・ザ・ベスト3』があり、彼の幅広い音楽性と時代を超えて愛される楽曲群を堪能できます。

ビリー・ザ・ベスト (1&2)

『ピアノ・マン』（1973年）から『イノセント・マン』（1983年）までの楽曲を中心に、全23曲を収録。時代を彩った数々のヒット曲に加え、「オンリー・ヒューマン」と「ナイト・イズ・スティル・ヤング」という2つの新曲が収録されているのが特徴です。

特筆すべきは、「シーズ・ガット・ア・ウェイ」がライブ・アルバム『ソングズ・イン・ジ・アティック』（1981年）からのライブバージョンで収録されている点です。これにより、スタジオ録音とは異なる、よりエネルギッシュな演奏を楽しむことができます。

日本においては、オリコン洋楽アルバムチャートで1985年8月5日付から13週連続1位を獲得するという、驚異的な記録を打ち立てました。これは、当時の日本の音楽ファンがビリー・ジョエルの音楽に熱狂的に支持していたことを示す何よりの証拠と言えるでしょう。

収録曲について

DISC1は『Greatest Hits Volume I 1973-1977』と題され、「ピアノ・マン」や「ストレンジャー」、「素顔のままで」など、初期の代表曲が中心に収録されています。

DISC2は『Greatest Hits Volume II 1978-1985』と題され、「マイ・ライフ」や「オネスティ」、「アップタウン・ガール」など、1970年代後半から1980年代にかけてのヒット曲が収録されています。

1985年盤と1998年リマスター盤の違い

1985年発売当初のLPとカセットには全21曲が収録されており、「キャプテン・ジャック」、「エンターテイナー」、「イタリアン・レストランで」、「シーズ・ガット・ア・ウェイ（ライブ）」はCDのみに収録されていました。

また、「オネスティ」が収録されているのは日本盤とUS初回盤のみで、海外盤では「ドント・アスク・ミー・ホワイ」が代わりに収録されていました。その後、US盤も「ドント・アスク・ミー・ホワイ」に差し替えられましたが、日本盤には引き続き「オネスティ」が収録されていました。

1998年のリマスター盤では、「さよならハリウッド」が『ニューヨーク物語』（1976年）からのスタジオバージョンに差し替えられました。それ以前は「シーズ・ガット・ア・ウェイ」と同様に『ソングズ・イン・ジ・アティック』（1981年）からのライブバージョンが収録されていました。

さらに、1998年リマスター盤では、一部の楽曲がアルバムバージョンに差し替えられ、それ以前に収録されていたラジオエディットバージョンから変更されています。

ビリー・ザ・ベスト3

『イノセント・マン』（1983年）から『リヴァー・オブ・ドリームス』（1993年）までの楽曲を中心に、14曲が収録されています。さらに、カバー曲が3曲追加されているのが特徴です。

収録曲について

「キーピン・ザ・フェイス」や「イノセント・マン」、「ザ・リヴァー・オブ・ドリームス」など、1980年代から1990年代にかけてのヒット曲が中心に収録されています。

カバー曲としては、ボブ・ディランの「心のままに」、ジェリー・ゴフィン＆キャロル・キングの「ヘイ・ガール」、レナード・コーエンの「ライト・アズ・ザ・ブリーズ」が収録されています。これらのカバー曲は、ビリー・ジョエルの音楽的なルーツや、彼が影響を受けたアーティストを知る上で貴重な手がかりとなります。

『ビリー・ザ・ベスト』シリーズは、ビリー・ジョエルの音楽キャリアを総括するだけでなく、彼の音楽が時代を超えて多くの人々に愛され続ける理由を教えてくれる、貴重な作品群と言えるでしょう。

もう一度検索