ビリー・ハミルトン (1990年生の外野手)

ビリー・ハミルトン：韋駄天外野手の軌跡

ビリー・ハミルトン（Billy Hamilton）は、1990年生まれ、アメリカ合衆国ミシシッピ州出身のプロ野球選手です。右投両打の外野手として、その驚異的なスピードで野球ファンを魅了してきました。特に、2012年にマイナーリーグで記録した年間155盗塁は、野球史に残る偉業として語り継がれています。

生い立ちとプロ入り

人口1300人ほどの小さな町で育ったハミルトンは、幼少期からデレク・ジーターに憧れ、野球に打ち込みました。高校時代には、俊足に加え、最速148km/hの速球を投げる強肩も持ち合わせていました。アメリカンフットボールでも才能を発揮し、大学ではワイドレシーバーとしてプレーする予定でしたが、2009年のMLBドラフトでシンシナティ・レッズから2巡目指名を受け、プロの道へ進むことになりました。

レッズ時代：スピードスターの誕生

プロ入り後、ハミルトンはスイッチヒッターに転向。2011年には、ベースボール・アメリカ誌で球団内2位の有望株と評価されました。A級リーグでは、デライノ・デシールズ監督の指導の下、135試合で103盗塁を記録。そして、2012年にはA+級、AA級で驚異的なペースで盗塁を量産し、155盗塁という前人未到の記録を達成しました。この記録は、19年ぶりにビンス・コールマンの記録を更新するものでした。

2013年9月、ハミルトンはメジャーデビューを果たします。デビュー戦でいきなり二盗を決めると、その後も快足を飛ばし、13試合の出場で13盗塁を記録。特に、初先発出場となった試合では、1試合4盗塁という快挙を達成し、その名を一躍広めました。

2014年には、レギュラーとして起用され、56盗塁を記録。ナショナルリーグの盗塁数で2位となり、球団の新人記録を105年ぶりに更新しました。その活躍は、新人王投票でも2位にランクインするほどでした。

移籍と挑戦

その後、ハミルトンはロイヤルズ、ブレーブス、メッツ、カブス、ホワイトソックスなど、数々の球団を渡り歩きました。2018年オフにはロイヤルズと契約し、2019年にはブレーブスへ移籍。2020年にはメッツ、カブスでプレーしました。2021年にはホワイトソックスに所属し、2022年にはマリナーズ、マーリンズ、ツインズと、シーズン中に複数の球団を渡り歩くという異例の経験もしました。2023年は再びホワイトソックスに所属しましたが、メジャーでの出場は3試合にとどまりました。

メキシカンリーグでの活躍

2024年からは、リーガ・メヒカーナ・デル・パシフィコ（メキシカンリーグ）に活躍の場を移し、チャロス・デ・ハリスコで35盗塁を記録。リーグ盗塁王に輝き、健在ぶりを示しました。

プレースタイル

ハミルトンの最大の武器は、何と言ってもそのスピードです。塁に出れば、常に盗塁を狙い、相手バッテリーにプレッシャーを与えます。守備においても、広い守備範囲と俊足を生かしたプレーで、チームに貢献します。一方で、打撃には課題を残しており、今後の更なる成長が期待されています。

ビリー・ハミルトンは、その圧倒的なスピードで、多くの野球ファンを魅了してきました。メジャーリーグでの活躍はもちろん、メキシカンリーグでの盗塁王獲得など、常に挑戦を続ける彼の姿は、多くの人々に勇気を与えています。今後の彼の活躍から目が離せません。

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