ビリー・ビーン (1964年生の外野手)

ウィリアム・ダロ・ビーン：波瀾万丈な野球人生と告白

ウィリアム・ダロ・ビーン（William Daro "Billy" Bean, 1964年5月11日 - 2024年8月6日）は、アメリカ合衆国カリフォルニア州出身の元プロ野球選手（外野手）です。MLBとNPBでプレーし、引退後は不動産業を営んでいました。

メジャーデビューと挫折

ロヨラ・メリーマウント大学在学中の1985年、ニューヨーク・ヤンキースからドラフト指名を受けましたが、入団を拒否。翌1986年にデトロイト・タイガースからドラフト4巡目で指名され、プロ入りを果たします。1987年4月25日にはメジャーデビューを果たし、デビュー戦で6打数4安打1打点と鮮烈な印象を残しました。デビュー戦での4安打はメジャータイ記録となるものでした。

しかし、その後は目立った成績を残すことができず、メジャーとAAAを行き来する日々を送ります。ロサンゼルス・ドジャース、カリフォルニア・エンゼルスとチームを渡り歩きますが、レギュラー定着は叶いませんでした。

近鉄バファローズでの短い期間

1992年、ビーンは近鉄バファローズに入団します。外国人枠の関係で当初は一軍登録を外れましたが、6月にラルフ・ブライアントの故障により一軍昇格を果たしました。しかし、期待に応えることはできず、わずか7試合に出場したのみでシーズン途中に解雇という結果に終わりました。

メジャー復帰と引退、そして告白

帰国後、サンディエゴ・パドレスと契約し、1993年にメジャー復帰を果たします。主に代打として活躍し、1995年のシーズンをもって現役を引退しました。

引退後、ビーンは不動産業を営み成功を収めます。そして1999年、同性愛者であることを告白しました。当時、結婚していましたが別居し、1993年からはパートナーと同居していました。しかし、公になることを恐れ、パートナーが急死した際も葬儀に参列することはありませんでした。新たなパートナーと生活を始め、マイアミでレストラン経営や不動産業で成功を収めていた彼は、地元の新聞のインタビューでカミングアウトを決意します。元メジャーリーガーでゲイであることを公表したのは、1995年のグレン・バークに次いで2人目でした。

死去

2024年8月6日、ビーンは自宅で死去しました。60歳でした。亡くなる11カ月前から急性骨髄性白血病の闘病を続けていました。

記録

NPB初出場：1992年6月10日、対日本ハムファイターズ11回戦（東京ドーム）
NPB初安打・初打点：1992年6月11日、対日本ハムファイターズ12回戦（東京ドーム）

背番号

4 （1987年 - 1989年）
40 （1989年）
33 （1992年）
21 （1993年 - 1994年）
* 31 （1995年）

ウィリアム・ダロ・ビーンの野球人生は、華々しいデビューから一転して苦難の連続でした。しかし、引退後の告白は、多くの人々に勇気を与えました。彼の人生は、決して平坦ではありませんでしたが、その生き方は多くの人々に感銘を与えました。

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