ビルマ国民軍

ビルマ国民軍の歴史と背景

ビルマ国民軍（Burma National Army, BNA）は、第二次世界大戦中に日本の指導の元に編成された軍事組織であり、その前身にあたるのはビルマ独立義勇軍（Burma Independence Army, BIA）やビルマ防衛軍（Burma Defence Army, BDA）です。本稿では、これらの組織の沿革や背景について詳しく解説します。

ビルマ独立義勇軍の発足

第二次世界大戦前、ビルマはイギリスの植民地でしたが、現地人が軍事部門に関与することは制限されていました。この制約の中、タキン党などの急進派は武装独立運動を進めていました。日本軍はこれらの組織を支援し、ビルマでの軍事行動を計画していました。1941年12月に太平洋戦争が始まると、アウンサンをはじめとするタキン党員たちは、日本軍の支持を受けてビルマ独立義勇軍を結成しました。彼らは1942年1月からビルマ侵攻作戦に参加し、当初は民衆工作に重きを置きながら活動しました。

ビルマ防衛軍への再編

しかし、軍が肥大化していくと日本はビルマ独立義勇軍を解散し、約2800人の兵力を基にビルマ防衛軍（BDA）を創設しました。この新たな組織は日本軍の補助部隊として機能し、日本の指導のもとで幹部の養成を進めました。

ビルマ国民軍としての独立

1943年、日本の指導のもとでビルマ国が独立を果たすと、ビルマ防衛軍はビルマ国民軍（BNA）に転換しました。アウンサンは国防相に任命され、ネ・ウィンが軍司令官に就任しました。独立が名ばかりのものであることに不満を持つ軍幹部もおり、内部で抗日組織が徐々に構成されました。1944年に日本軍がインパール作戦で敗北すると、BNAの反日傾向が顕著になりました。

抗日活動と連合国との協力

アウンサンは1945年3月に反乱を命じ、日本軍に対する攻撃を開始しました。この時期、ビルマ国民軍は反日組織「反ファシスト人民自由連盟」（AFPFL）と連携し、連合国軍との接触を図ることになります。また、同年5月、旧ビルマ国民軍は連合国の指揮下に入り、ビルマ愛国軍（PBF）と改称されます。

軍の編成と装備

1942年8月の時点でのビルマ防衛軍は2800人規模で、アウンサンが指揮官として指揮していました。主な兵力には歩兵大隊の他、ビルマ幹部候補生隊も設置されました。一方、ビルマ国民軍に改編された際には約1万人から1万5千人の兵力に膨れ上がり、装備としては日本やイギリス製の火器が使用されました。

結び

ビルマ国民軍は、抗日活動や連合国との連携を通じて、ミャンマーの軍事史において重要な役割を果たしました。最終的に、1948年のビルマ独立後、国の運営を担ったのは旧ビルマ国民軍の将校たちだったため、ビルマ国民軍の影響は後のミャンマー軍に引き継がれることになりました。

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