ビルマ国

ビルマ国の歴史

ビルマ国（英: State of Burma）は、1943年8月1日から1945年3月27日まで、日本の占領下にあったビルマ（現ミャンマー）に設立された国家です。日本の直接的な支援を受けて、イギリスの植民地支配から独立する形で成立しましたが、実際には日本の傀儡政権であったとの見方も強いです。

概要

ビルマ独立義勇軍（BIA）は、1941年12月26日にアウンサンの指導のもと結成され、日本軍と連携しながらイギリス軍に対抗しました。1943年4月には、イギリス軍を打破し、囚人となっていた政治指導者バー・モウを解放します。日本はバー・モウを新政府の首脳として迎え入れ、彼を新設された行政府の長官へと任命しました。

1943年8月1日、ビルマ方面軍司令官河辺正三は軍政の撤廃を宣言し、以降独立準備委員会の後押しで「ビルマ国」が設立されました。バー・モウは国家元首として就任し、同日、日本政府と同盟条約を締結し、米英に対して宣戦布告を行いました。バー・モウは、対外的には首相という肩書を名乗り、東京で開催された大東亜会議にも参加し、ビルマ政府の代表として署名しています。

しかし、日本軍がインパール作戦で深刻な敗北を喫すると、ビルマの状況も厳しくなり、1945年3月27日、アウンサンは日本及びバー・モウの政府に対するクーデターを起こし、イギリス側に寝返ります。その後、連合国軍の攻撃を受け、日本軍はラングーン（現ヤンゴン）から撤退します。

その結果、ビルマ国政府は日本に亡命し、バー・モウも8月にタイを経由して日本へ難を逃れました。1945年に日本が連合国に降伏すると、ビルマ国は事実上解体され、バー・モウもイギリス軍へ自発的に出頭しました。

ミャンマーとの関係

現在、ミャンマー政府は独立を1948年にビルマ連邦が成立した時点としており、ビルマ国との連続性を認めていません。また、ミャンマー国軍はメモリアルとして1945年3月27日を記念日の基準にしています。興味深いことに、ビルマ独立への貢献者として、旧日本軍人に「アウンサン・タゴン勲章」が授与されています。

政策と公共

ビルマ国は形式上独立国であったため、日本語学校の設立などの普及活動が行われました。しかし、日本語や日本文化の教育は必修ではなく、選択科目に過ぎませんでした。一方で英語は段階的に非公用語化され、法令や公文書がビルマ語に翻訳される作業が行われました。

ビルマ国政府の構成

ビルマ国の初代内閣は、バー・モウを首相に、Thakin Mya（副首相）や他の大臣たちによって構成されていました。各大臣はそれぞれの分野で国を統治し、内務、外交、財務、国防などの役職が設けられました。

主要な閣員

• - バー・モウ：首相兼国家代表
• - Thakin Mya：副首相
• - バー・ウィン：内務相
• - ウー・ヌ：外務相
• - テイン・マウン：財務相
• - アウン・サン：国防相

美術と文化

ビルマ国の設立に際して、日本の画家が戦争記録画を制作しました。これらは戦後、GHQによって没収され、現在は東京国立近代美術館に収められています。ビルマ国の歴史は複雑で、国家としての短い存続の間にも多くの事件と人物が交錯していました。

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