ビル・メルキオーニ

ウィリアム・P・メルキオーニ・ジュニア：ネッツを支えた名ポイントガード

ウィリアム・P・メルキオーニ・ジュニア（William P. Melchionni Jr., 1944年10月19日 - ）は、アメリカ合衆国出身の元プロバスケットボール選手です。主にABA（アメリカン・バスケットボール・アソシエーション）のニューヨーク・ネッツでポイントガードとして活躍しました。卓越したパスセンスと得点力でチームを牽引し、ネッツの黄金時代を築き上げました。

高校・大学時代

メルキオーニは、高校時代にチームを2度の州選手権優勝に導く活躍を見せました。ビラノバ大学に進学すると、4年次には平均27.6得点を記録するエースとしてチームを牽引。同大学をNIT（ナショナル・インビテーション・トーナメント）で3位入賞に導き、自身もトーナメントMVPを受賞しました。また、バスケットボールだけでなく学業にも熱心に取り組み、経済学の学位を取得しています。

NBAでの挑戦

1966年、メルキオーニはNBAドラフト全体19位でフィラデルフィア・76ersに入団。1年目は控え選手として平均4.3得点を記録しました。当時の76ersは、ウィルト・チェンバレンやハル・グリアといったスター選手を擁し、リーグ新記録となる68勝を挙げてNBAファイナルを制覇。メルキオーニも貴重な戦力としてチームに貢献しました。しかし、翌シーズン以降は出場機会に恵まれず、1968年に76ersを退団しました。

ABA ニューヨーク・ネッツでの活躍

1969年、メルキオーニはABAのニューヨーク・ネッツに移籍。ここで彼は才能を開花させ、エースガードとしてチームを牽引します。1970-71シーズンから2年連続でアシスト王に輝き、その卓越したパスセンスを証明しました。また、この年から3年連続でオールスターに選出され、1971-72シーズンには自己最高の平均21.0得点を記録し、オールABA1stチームにも選ばれるなど、リーグを代表する選手として活躍しました。

ABA制覇と引退

1973年、ネッツはジュリアス・アービングを獲得し、リーグ屈指の強豪チームへと変貌を遂げます。メルキオーニはシックスマンとしてチームを支え、1974年と1976年の2度、ABA制覇に大きく貢献しました。1976年、ABAとNBAの合併に伴い、ネッツのNBA移籍が決定。メルキオーニはこの年限りで現役を引退しました。ABAとNBAを合算した通算成績は、646試合に出場し、6,870得点、3,247アシスト（平均10.6得点、5.0アシスト）を記録しました。ABA通算3,044アシストは、ルイー・ダンピアー、マック・カルヴィンに次ぐ歴代3位の記録です。

永久欠番

引退直後の1976年、メルキオーニの背番号『25』は、ネッツの永久欠番に指定されました。これは、彼のネッツに対する多大な貢献と、ファンに与えた感動を称えるものです。

ウィリアム・P・メルキオーニ・ジュニアは、その輝かしいキャリアを通じて、多くのバスケットボールファンに記憶される名選手となりました。

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