ビースト・オブ・バーデン

ローリング・ストーンズの代表曲の一つとして知られる「ビースト・オブ・バーデン (Beast of Burden)」は、1978年に発表された楽曲です。アルバム『女たち (Some Girls)』に収録され、北米ではシングルカットもされました。

この楽曲の作詞作曲には、バンドの中心メンバーであるキース・リチャーズとミック・ジャガーが深く関わっています。楽曲の土台は主にキース・リチャーズによって築かれたと言われていますが、歌詞の大部分はレコーディングスタジオでミック・ジャガーが即興で書き上げたというエピソードがあります。二人の音楽性と創造性が融合した、まさにローリング・ストーンズらしい楽曲と言えるでしょう。

サウンド面では、キース・リチャーズとロン・ウッドによるギターの演奏が大きな特徴です。二人のエレクトリックギターが複雑に絡み合い、何度もレコーディングを重ねることで、独特の深みと奥行きのあるサウンドを作り上げています。特に、間奏部分で聴けるロン・ウッドのギターソロは聴きどころの一つです。

「ビースト・オブ・バーデン」は1978年6月9日に発売されたアルバム『女たち』に収録されていますが、北米版の8トラックテープに収録されたバージョンは、オリジナルアルバムとは歌詞が一部異なり、演奏時間も約1分長い5分20秒となっています。この違いは、まさにアナログ時代のレコーディングにおけるバリエーションとして興味深い点と言えるでしょう。

シングルカットされた「ビースト・オブ・バーデン」は、アメリカのビルボードHot 100で8位を記録するなど、高い人気を獲得しました。さらに、ローリング・ストーンズは1981年の北米ツアーでこの曲を演奏しており、そのライブバージョンは1982年6月にシングル「Going to a Go-Go」のB面に収録されました。しかし、このライブバージョンは長らく入手困難な状態が続いていましたが、2005年にリリースされたコンピレーションアルバム『レアリティーズ 1971-2003』に収録されたことで、多くのファンが改めて聴く機会を得ることになりました。

また、2011年11月には、1978年7月18日に行われたテキサス州フォートワースでのコンサートを収録した映像作品『Some Girls: Live in Texas '78』が発売されました。この作品には「ビースト・オブ・バーデン」のライブパフォーマンスが収録されているほか、ボーナスディスクには『サタデー・ナイト・ライブ』出演時のライブ映像も収録されています。これらの映像作品によって、「ビースト・オブ・バーデン」のパフォーマンスを様々な角度から楽しむことができます。

音楽評論家の間でも高い評価を得ている「ビースト・オブ・バーデン」は、ローリング・ストーン誌の選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500（2004年版）において、435位にランクインしています。これは、この楽曲がローリング・ストーンズの歴史における重要な楽曲の一つであることを示すものです。

レコーディングメンバーは、リードボーカルとバッキングボーカルにミック・ジャガー、エレクトリックギター、アコースティックギター、バッキングボーカルにキース・リチャーズ、エレクトリックギター、アコースティックギターにロン・ウッド、ベースにビル・ワイマン、ドラムスにチャーリー・ワッツという、ローリング・ストーンズの黄金メンバーが参加しています。

もう一度検索