ビートルズ No.2!

ビートルズ No.2!：日本独自のビートルズ・サウンド

1964年、日本の音楽シーンに衝撃を与えたビートルズ。その日本における2作目のアルバムとしてリリースされたのが『ビートルズ No.2!』（The Beatles' Second Album）です。東芝音楽工業から発売された本作は、イギリスでリリースされた2作目のアルバムとは異なる、日本独自の編集盤という点で特筆すべき存在です。

このアルバムの最大の特長は、イギリス盤の『ウィズ・ザ・ビートルズ』とは収録曲が異なる点です。日本市場向けに選曲された楽曲は、ビートルズの初期の魅力を凝縮した内容となっています。後の『ハード・デイズ・ナイト』からは、イギリス盤と同内容のアルバムがリリースされるようになったため、『ビートルズ No.2!』は、日本独自の編集盤として、ビートルズの歴史において貴重な存在感を放っています。

ジャケットデザインは、アメリカで発売された『ザ・ビートルズ・セカンド・アルバム』を参考にしています。ビートルズのアルバムジャケットデザインの歴史においても重要な位置づけにあると言えるでしょう。興味深いのは、オリジナルリリース時はモノラル盤のみだったことです。これは、当時「キャント・バイ・ミー・ラヴ」のリアル・ステレオ・ミックスが未発表だったため、アルバム全体をモノラル・ミックスで統一する必要があったためです。そのため、現在でもステレオ盤は存在しません。

長らくCD化されていませんでしたが、2014年6月、5枚組CDボックスセット『ミート・ザ・ビートルズ ＜JAPAN BOX＞』に収録される形で、初めてCD化されました。このCD化に際しては、可能な限り1964年の発売当時の形態が再現されています。紙ジャケット仕様で、CDジャケットには当時の東芝音楽工業株式会社の表記はなく、CD盤本体にも当時のレーベルデザインが忠実に再現されています。さらに、発売当時の解説は、当時音楽評論家として活躍していた高崎一郎氏による貴重な解説がそのまま収録されています。

これらの細部へのこだわりは、単なる音楽作品としてだけでなく、日本の音楽史、そしてビートルズの歴史における重要な資料としての価値を高めています。当時を知る世代にとっては懐かしさ、そして若い世代にとっては新鮮な驚きと発見をもたらす、そんな一枚と言えるでしょう。

収録曲（一部抜粋）

アルバムには、ビートルズの代表的な楽曲が多数収録されています。楽曲の作詞作曲は、特記を除き、レノン＝マッカートニーによるものです。それぞれの楽曲は、ビートルズの初期の音楽性を象徴する、シンプルながらも力強いサウンドが魅力です。

スタッフクレジット

このアルバム制作には、数多くのスタッフが関わっています。

ビートルズ: ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スターは、それぞれボーカル、ギター、ベース、ドラムなど、それぞれの持ち場で演奏に参加しています。特にリンゴ・スターは「アイ・ウォナ・ビー・ユア・マン」「ボーイズ」でリードボーカルを務めており、多様な才能を見せつけています。

ジョージ・マーティン: プロデューサーとして、アルバム全体のサウンドをまとめ上げています。さらに、オルガンやピアノといった楽器の演奏にも参加しています。

* ノーマン・スミス: レコーディングエンジニアとして、レコーディング、ミックスを担当しました。

彼らの卓越した技術と、ビートルズの才能が融合した結果、この名盤が誕生したのです。

まとめ

『ビートルズ No.2!』は、日本のビートルズ・ファンにとって特別な一枚です。イギリス盤とは異なる選曲、モノラルミックスのみという特性、そして2014年の貴重なCD化など、多くの要素が、このアルバムを歴史的な作品たらしめていると言えるでしょう。当時の音楽シーンを知る手がかりとして、またビートルズの初期作品を理解する上で、このアルバムは欠かせない存在と言えるでしょう。

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