ピアノソナタK.545

ピアノソナタ ハ長調 K.545 について

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトによって作曲されたピアノソナタ ハ長調 K.545は、モーツァルトの作品の中でも特に親しみやすい楽曲の一つです。旧モーツァルト全集では第15番、新モーツァルト全集では第16番とされています。

概要

モーツァルト自身が1788年6月26日に「初心者のための小さなソナタ」と自作の作品目録に記したように、このソナタは、ピアノを学ぶ人々にとって非常にポピュラーな曲です。多くのソナタアルバムやソナチネアルバムに収録されており、ピアノ学習の初期段階から触れる機会が多いです。

また、ノルウェーの作曲家エドヴァルド・グリーグによって、2台のピアノ用に編曲された版も存在し、原曲とは異なる魅力を楽しむことができます。

曲の構成

このソナタは、全3楽章から構成されています。

第1楽章 アレグロ

ハ長調、4分の4拍子で、ソナタ形式で書かれています。展開部ではト短調から始まり、小結尾の動機が徹底的に展開されます。この手法は、モーツァルトの晩年の作品、例えばピアノ協奏曲第26番『戴冠式』などにも見られます。再現部は、下属調であるヘ長調で始まるという、調性の配置が興味深い特徴を持っています。この調性配置は、後の作曲家、特にシューベルトが『5つのピアノ曲（ピアノソナタ第3番 ホ長調）D 459』で採用しており、音楽史における影響を感じさせます。

第2楽章 アンダンテ

ト長調、4分の3拍子で、複合三部形式で書かれています。穏やかで美しい旋律が特徴的な楽章で、聴く人の心を和ませます。

第3楽章 ロンド：アレグレット

ハ長調、4分の2拍子で、ロンド形式で書かれています。前楽章とは対照的に、軽快で躍動感のある楽章です。この楽章は、1799年にブライトコプフ・ウント・ヘルテルによって移調され、ヴァイオリンソナタの断章と組み合わされて『ピアノソナタ ヘ長調 K. 547a』として出版されています。

その他

このソナタは、テレビアニメ『名探偵コナン』の第437話「上戸彩と新一 4年前の約束」で、第2楽章の冒頭部分が使用されています。このことからも、この曲が幅広い層に親しまれていることがわかります。

楽譜

• - ピアノソナタ第16番（旧第15番）ハ長調 K. 545の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト)
• - 『新モーツァルト全集』におけるSonate in C KV 545の楽譜及び校訂報告 （ドイツ語）
• - Complete score available from the Mutopia Project

モーツァルトのピアノソナタ ハ長調 K.545は、その美しい旋律と親しみやすさから、ピアノ学習者だけでなく、多くの音楽ファンに愛され続けています。ぜひ、一度その音楽に触れてみてください。

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