ピウス9世勲章

ピウス9世勲章（Ordo Pii IX）

ピウス9世勲章は、ローマ教皇が授与する五つの騎士団勲章の一つで、その名は19世紀に在位したローマ教皇ピウス9世に由来しています。この勲章は、個人の善行や功績を称えるために設立され、主に外交使節に対して贈られます。

勲章のデザインと特典

勲章は青地に青の八芒星の中央に「PIVS IX」という文字がデザインされ、周りには標語「Virtuti et Merito（善行と功績）」が刻まれています。この八芒星は、受章者の品位と寄与を象徴しています。勲章の綬は、青に赤の二重縁取りが施されており、視覚的な美しさを持っています。特に目を引くのは最上級の頸飾で、これは教皇庁を公式訪問した国家元首にのみ贈られる栄誉です。また、大十字章は国際舞台でカトリック教会に顕著な貢献をしたカトリック信徒にも授与されることがあります。

等級制度

ピウス9世勲章には4つの等級がありますが、その中で司令官の等級は、星章の有無で区別されるため、実質的には5つの等級に分類されます。具体的には、以下のような等級があります：

• - 頸飾: 最上級の栄誉を示す
• - 大十字: 大綬と星章が付く
• - 司令官: 中綬で、星章の有無が選べる
• - 騎士: 小綬が与えられる

このような明確な区分が、受章者の達成した功績に応じて適切に評価されることを可能にしています。

歴史的背景

この勲章の起源は1560年に遡ります。もともとピウス4世が創設しましたが、しばらく途絶えていました。その後、1847年6月17日、ローマ教皇ピウス9世の意向によりこの制度が復活し、以来多くの受章者に栄誉が与えられています。勲章の復活は、教会が国家や国際社会における関係を強化し、カトリックの価値観を広める役割を果たすことを意図していました。

著名な受章者

ピウス9世勲章は世界中の著名人に授与されています。有名な受章者には、エチオピア帝国の初代皇帝ハイレ・セラシエ1世、スペインのフアン・カルロス1世、フランスのジャック・シラクなどがいます。この他にも歴史的な影響力を持つ多くの人物が受章しており、その中には日本の明治時代や昭和時代の著名な政治家たちも含まれています。特に西園寺公望や桂太郎は、いずれも大十字を授与されています。

日本の受章者

日本における受章者もリストアップされており、西園寺公望、吉川重吉、桂太郎、吉田要作、珍田捨巳、斎藤実、そして野間清治など、数多くの日本人もこの栄誉に輝いています。彼らはそれぞれの分野で杰出した功績を残し、国際的な関係やカトリック教会との連携強化に寄与してきました。

以上のように、ピウス9世勲章は歴史的な意義を持ち、その授与を受けることは個々の業績を称える重要な意味を持つのです。

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