ピエール・オージュロー

シャルル・ピエール・フランソワ・オージュローの生涯

シャルル・ピエール・フランソワ・オージュロー（1757年 - 1816年）は、フランスの軍人であり、フランス革命戦争とナポレオン戦争の重要な人物の一人です。その生涯は貧しい家庭に生まれた少年から、数々の戦場で名を馳せる将軍へと変貌する驚くべきストーリーに満ちています。

若き日のオージュロー

オージュローは1757年にパリで生まれました。彼の少年時代は貧困と決闘、逃避行の連続でした。17歳で騎兵連隊に入隊すると、早くから決闘に明け暮れ、やがて士官に対する侮辱を受けて剣を抜く事態に至ります。このため、彼は海外へ逃亡し、レバント地域を放浪しました。後に露土戦争に参加してロシア帝国陸軍で従軍したものの、再び脱走し、プロイセン軍に加わりました。しかし、プロイセンからも逃れ、最終的にはザクセン選帝侯領に辿り着きます。1788年から1791年にかけてはナポリ王国軍に従軍し、ポルトガルに短期間滞在したこともあります。

フランス革命戦争での活躍

フランス革命戦争が勃発すると、オージュローはその波に乗り、ヴァンデの反乱を鎮圧し、さらにスペイン軍との戦闘にも参加します。特に1793年には師団将軍に昇進し、ナポレオン・ボナパルトの指揮の下でイタリア戦役に派遣されます。彼はミッレージモの戦い、コッセーリア城の攻囲、チェーヴァ、ローディ、カスティリオーネの各戦闘で優れた指揮を発揮し、ナポレオンからも高く評価されました。

1797年には再びパリに戻され、フリュクティドールのクーデターにも参与しましたが、その後の講和進展と不在の間に起こったブリュメールのクーデターには関与できませんでした。このことが彼に不満を抱かせる要因となりますが、フランス第一帝政が成立した1804年には元帥に叙任されます。

ナポレオン戦争とその後

ナポレオン戦争では、オージュローは第三次対仏大同盟との戦いでの活躍が知られており、1805年にはコンスタンツやブレゲンツで戦闘を行いました。また、第四次対仏大同盟ではイエナ・アウエルシュタットの戦いで功績をあげます。しかし、1807年には病に倒れ、アイラウの戦いでは重傷を負うなど、戦局に大きな影響を及ぼしました。

この終戦後、カスティリオーネ公に任命された彼は、半島戦争でカタルーニャを指揮したものの、さほどの成果は上げられず、その残酷な手法が知られることになります。また1812年のロシア戦役や1813年の諸国民戦争でも目立った活躍はなく、特にライプツィヒの戦い前にナポレオンからの厳しい言葉を受け、このことは彼の名誉に影を落としました。

1814年のフランス戦役ではリヨンの防衛を担当しましたが、容易にオーストリア軍に突破され、さらには裏切りの噂が立つ結果となります。復古王政が進む中で、オージュローは王に忠誠を誓ったものの、ナポレオンの復帰時には再び裏切り者として拒絶されてしまいました。

最終的に1816年、オージュローはウール県の地で死去しました。彼の生涯は波乱に満ちたものであり、野心と日和見主義が交錯する中で、数々の戦場での経験が彼を形成してきました。彼の軍人としての振る舞いは、時代を超えて後世の人々に語り継がれています。

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