ピエール・ロシエ

ピエール・ジョセフ・ロシエの生涯と業績

ピエール・ジョセフ・ロシエ（1829年7月16日生まれ、没年不詳）は、スイスの著名な写真家であり、特に日本の写真術の発展に寄与したことで知られています。彼の生涯は、農家の家に生まれ育ち、教師としての道を歩みながらも、若くして写真の世界に魅了されるという独特な経歴が特徴です。

初期の経歴

ロシエは10人兄弟の中で4番目に生まれ、農業に従事する家族とは異なる進路を選びました。16歳の時には教師の職を得るも、彼の情熱は写真術に向かっています。1855年には「写真家」の肩書がパスポートに記載され、その後3年間、フランスや英国へ撮影の旅を行うことで、技術を磨き続けました。

中国での活動

彼はロンドンにあるイタリア系企業、ネグレッティ＆ザンブラで働き、アロー戦争の取材のために中国に派遣されました。このとき、彼が撮った写真は『VIEWS IN CHINA』として1859年に出版され、彼の名声を高めることに繋がりました。

日本への渡航

その後、ロシエは日本に渡り、長崎に滞在中に湿式写真技術を上野彦馬や堀江鍬次郎、古川俊平、前田玄造といった地域の写真家たちに教えました。特に上野彦馬はロシエから多くを学び、後に日本の写真史に名を残す存在となります。また、ロシエは当時12歳のアレクサンダー・フォン・シーボルトの写真も撮影しており、彼の功績は後世に語り継がれています。

江戸時代の記録

1859年6月26日、ロシエは江戸に到着し、日本各地の風景を撮影しました。その成果は『VIEWS IN JAPAN』としてまとめられ、日本の自然や風俗を西洋に伝える重要な資料となりました。再度長崎に戻った後は、上野彦馬に対して再度写真術を詳細に教え、その技術の普及に努めました。

晩年と影響

ロシエの晩年については詳細な情報が残されていませんが、1883年から1898年の間にパリで死亡したと考えられています。彼の業績は日本写真史において重要な位置を占めており、同時代の他の写真家たちに多大な影響を与えました。

参考文献

写真史におけるロシエの役割については、高橋信一の研究が参考になります。彼の著作により、下岡蓮杖とその周辺の写真に関する詳細な考察が行われています。

関連項目

• - 日本写真史
• - 写真術の歴史

ロシエの業績は、ただの技術の伝授にとどまらず、日本と西洋の文化と技術の交流を象徴するものでもあります。彼の影響は今でも日本における写真文化の基盤を形成し、その後の発展に寄与しているのです。

もう一度検索