ピカレスクコート

ピカレスクコートの紹介

ピカレスクコート（Picaresque Coat）は、2002年3月10日に生まれた日本の競走馬で、特に2007年にダービー卿チャレンジトロフィーを制したことで知られています。馬名の「ピカレスク」は、スペイン語で「悪漢」を意味し、その名の通りユニークな経歴を持つ一頭です。全姉には1999年の阪神3歳牝馬ステークスを制したヤマカツスズランがいます。

経歴

ピカレスクコートは、2003年のセレクションセールで金子真人に3832万5000円で落札され、競走馬としてのキャリアが始まりました。2004年9月20日、阪神競馬場で行われた2歳新馬戦でデビューを果たし、当日は中舘英二の騎乗により3番人気として3着に入りました。その後、2歳未勝利戦で初勝利を挙げ、徐々にその名を知られるようになります。

2005年にはさわらび賞での勝利を経て、オープン馬としての地位を確立しましたが、その後の重賞では勝ちを収められず、1000万下クラスに降級してしまいました。2006年には太宰府特別を制し、一時的に1600万下クラスへ昇格。しかし、またしても勝利を逃し、最終的には再び1000万下に降級となります。

特筆すべきは、2006年8月9日にディープインパクトの帯同馬としてフランスに遠征したことです。その際、シャンティー競馬場で調教を行い、ロンシャン競馬場ではダニエルウィルデンシュタイン賞（G2）でも健闘し、5番人気ながら2着に好走しました。帰国後の初戦では初霜特別で1番人気に応え勝利を収めました。

2007年には道頓堀ステークスで勝利し、再びオープン馬となった後、ダービー卿チャレンジトロフィーに挑戦します。ここでは秋山真一郎騎手に騎乗され、7番人気ながら見事に制し、重賞初勝利を果たしました。しかしその後の京王杯スプリングカップでは18着と大きく結果を残せませんでした。さらに秋のレースでも不調が続き、香港マイルに予備登録をしていたものの出走を見送りました。

2008年以降は成績が振るわず、数度のレースを経てついには2010年に競走馬登録が抹消され、北海道苫小牧市のノーザンホースパークで乗馬となることが発表されました。しかし、その後の動向は不明瞭で、2015年時点では同所に在厩していない状況です。

エピソード

ピカレスクコートがディープインパクトの帯同馬として選ばれた理由の一つは、その気性が非常に穏やかであったためです。フランスでは競走馬にマイクロチップの埋め込みが義務付けられているため、本馬もこの時に埋め込まれ、日本産馬としてはディープインパクトに次ぐ第2位の事例となりました。血統的には、6代母に1932年の帝室御賞典を制したロビンオーが存在し、小岩井農場の基礎輸入牝馬に辿り着く系譜が見受けられます。

ピカレスクコートの競走馬としての道のりは、多くの波乱と歓喜に満ちており、その存在は競馬界において今もなお語り草となっています。

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