ピサノサウルス

ピサノサウルス (Pisanosaurus)

ピサノサウルスは、約2億2,800万年前の中生代三畳紀後期にアルゼンチンに暮らしていた恐竜型生物です。体長は約90センチメートルから1メートルほどで、発見された化石は不完全なものですが、初期の鳥盤類として知られていました。しかし、2015年以降の研究では、シレサウルスなどとの近縁性が示され、非恐竜の恐竜型類として再評価されています。

分類の変遷

ピサノサウルスは長い間、初期の鳥脚類に分類され、特にヘテロドントサウルス科やファブロサウルス科、さらにはヒプシロフォドン科との関連性が指摘されてきました。これにより、彼は最古の鳥脚類の一つとしての位置づけを得ていました。しかし、2008年の研究で彼の位置が見直され、ヘテロドントサウルス科よりも基盤的な鳥脚類として新たに再分類されました。

さらに、2015年の研究ではピサノサウルスがシレサウルス科に属する可能性が示され、これが2017年の研究でも支持されました。この結果、彼は従来のように基盤的な鳥盤類としてではなく、シレサウルスの系統に位置づけられることとなりました。この一連の研究の結果、2018年には三畳紀の鳥盤類の存在は化石記録上は確認されないということが明らかになりました。

2020年の研究でも、ピサノサウルスはシレサウルス類として扱われることが再確認され、その位置づけは多くの研究者によって支持されています。一方で、シレサウルス類が鳥盤類に近い末裔に分類されることと相まって、ピサノサウルスがこの二つのグループの中間に位置する可能性についても議論されています。

意義と今後の展望

ピサノサウルスは、中生代の進化を探る上で非常に重要な生物です。その研究は、恐竜の進化史や生態の理解に寄与するとともに、恐竜型類の分類に対する見解を深める貴重な手がかりとなるでしょう。今後の発見や研究によって、さらに多くの知見が得られることが期待されています。

引用文献

平山廉著『最新恐竜学』平凡社（1999年）。

関連項目

• - エオラプトル
• - ヘレラサウルス
• - 恐竜の一覧
• - 絶滅した動物の一覧

このように、ピサノサウルスはその独特な位置づけと進化の道筋を明らかにすることで、恐竜の世界における重要な役割を果たしていると言えるのです。

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