プロ野球ワールドスタジアム'91

プロ野球ワールドスタジアム'91

『プロ野球ワールドスタジアム'91』（プロやきゅうワールドスタジアムきゅうじゅういち）は、ナムコ（後にバンダイナムコゲームスに改称）によって1991年3月21日に日本国内で発売されたPCエンジン・HuCARD用の野球ゲームソフトです。この作品は、1988年にリリースされた前作『プロ野球ワールドスタジアム』から約3年の期間を経て登場し、PCエンジンにおけるファミスタ（ワースタ）シリーズの第2作となっています。

基本情報

本作は、PCエンジン用の多くの野球ゲームがが登場する中で、特にハドソンの『パワーリーグ』が人気を博していた時期にリリースされました。ただし、前作のアーケード版に相当するゲームは存在しません。システム面においては大きな変更はなく、前作からの流れを尊重した作りとなっており、ファミコン版『ファミスタ'91』から導入された球場を選択したり、打順を設定したりする細かい設定は省略されています。続行可能なゲーム方式も引き続きパスワード方式であるため、プレイの便利さが図られています。

特徴

本作の最大の特徴は、最大4人のプレイヤーによる協力プレイが可能な点です。これにより、友人や家族と一緒に盛り上がりながらゲームを楽しむことができます。投手数は前作と同じくチームごとに4名ですが、先発投手3名とリリーフ投手1名という新しい割り当てが導入されました。これに伴い、リリーフ投手を先発として起用することはできなくなり、戦略性が一層求められるようになりました。また、選手ごとの能力差も増しており、前打席の成績表示なども加わりました。

守備面では、前作での賛否が分かれたフライやライナー性の当たりの落球がプレイヤーの選択でオン/オフできるようになり、ダイビングキャッチなどのファインプレーも取り入れられました。さらに、登場する球場は「ピッカリドーム」と呼ばれる1種類に絞られていますが、最新の開閉式屋根が特徴的で、屋根の状態によってプレイが変わるなどの新しい要素も加わっています。

グラフィックと演出

グラフィック面では、著名な選手である野茂英雄や村田兆治の独自の投球フォームを再現することに重点が置かれ、多様なプレイスタイルが表現されています。また、CPUの投手がフォークボールを使用しない設定となっているため、プレイヤーにとっての戦略も変わってきます。

チームとゲーム構成

具体的なチーム構成は、前作まで存在した連合チームが解消され、NPB（日本野球機構）所属の12球団がモデリングされています。リストには読売ジャイアンツや阪神タイガースなどの主要球団が含まれます。特に、前作から続投するナムコスターズやメジャーリーガーズといったスペシャルチームの存在が、プレイヤーに新しい対戦の楽しみを提供します。

評価

ゲーム雑誌からの評価も高く、いくつかの評価点では90点を超えるスコアを記録しています。特に、登板中の投手が疲れ始める演出が好評を得ており、細部にわたる工夫が多くのプレイヤーに支持されました。特にファンからは、ゲーム中の様々な演出やデザインに対して、肯定的な意見が多数寄せられています。

今作は、1996年にプレイステーションで発売された『ワールドスタジアムEX』へと繋がる重要な作品であり、シリーズのファンにとっては外せないタイトルとなっています。

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