ピリカヌプリ

ピリカヌプリは、北海道の広尾郡大樹町と浦河郡浦河町の境にそびえ立つ、標高1,631メートルの雄大な山です。日高山脈南部に位置し、その美しい山容から日高山脈襟裳十勝国立公園に含まれています。アイヌ語で『ピリカ』は『美しい』を意味し、北海道にはこのピリカヌプリを含め、ピリカの名を持つ山は他にありません。神威岳、ソエマツ岳とともに南日高三山と称され、その威容はまさに『美しい山』の名にふさわしいと言えるでしょう。

山頂には二等三角点「奴振」が設置されていますが、登山道は整備されていません。花崗岩の岩肌が特徴的なヌビナイ川右股から登るルートが比較的容易とされていますが、高度な登山技術と経験を要する、上級者向けのルートです。一般登山者にはお勧めできません。三角点の測量などの管理作業は、ヘリコプターを用いて行われているとのことです。

ピリカヌプリ周辺には、同様の険しい自然環境を持つ山々が連なっています。例えば、南日高三山の仲間である神威岳（1,600.5m）やソエマツ岳（1,625m）は、ピリカヌプリと同様に、険しくも美しい山容を見せています。また、トヨニ岳（1,493m）なども近隣に位置し、これらの山々を巡る登山は、経験豊富な登山家にとって大きな魅力となるでしょう。

ピリカヌプリは、容易に登れる山ではありませんが、その険しさゆえに、手つかずの自然が残された、貴重な登山エリアとなっています。北海道の豊かな自然を肌で感じたい、挑戦的な登山を求める上級者にとって、ピリカヌプリは忘れられない思い出となるに違いありません。アクセスも容易ではないため、静寂に包まれた大自然を満喫できる点も魅力の一つと言えるでしょう。

なお、登山を計画する際には、最新の気象情報を入手し、十分な装備と準備を整えてから臨むことが重要です。また、経験豊富な登山者と同行したり、ガイドを依頼することも、安全な登山に不可欠です。ピリカヌプリの雄大な自然を、安全に、そして心ゆくまで楽しんでいただければ幸いです。周辺の地形図としては、国土地理院の2万5千分1地形図『ピリカヌプリ(浦河2号-2)』が参考になります。日高山脈の成り立ちや、この地域の自然環境について理解を深めることで、より一層、ピリカヌプリ登山を満喫できるでしょう。

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