ピーコ (イタリア)

ピーコ：アウソニ山麓の歴史と自然が息づく村

ピーコ（Pico）は、イタリア共和国ラツィオ州フロジノーネ県に位置する基礎自治体（コムーネ）で、約2,800人の住民が暮らしています。フロジノーネ県の南部に位置し、アウソニ山地の北麓に広がっています。この地域は、カッシーノから西南西へ約23km、県都フロジノーネから東南へ約27km、ナポリから北西へ約90km、そして首都ローマから東南へ約101kmの距離にあります。

地理

ピーコは、アウソニ山地を境に、南にラティーナ県と接しています。周辺のコムーネとしては、北にサン・ジョヴァンニ・インカーリコ、東にポンテコルヴォ、南にカンポディメーレ（ラティーナ県）、南西にレーノラ（ラティーナ県）、西にパステナが隣接しています。地形的には、コムーネの南部が山地であり、北部は平坦な土地が広がっています。山地は自然公園として保護されており、豊かな自然が保たれています。

歴史

第二次世界大戦中、1943年から1944年にかけて、ピーコはドイツ軍の占領下に置かれました。イタリア戦線においては、ドイツ軍の防衛線である「グスタフ線」がこの地に引かれ、村は激しい戦火に見舞われました。ドイツ軍による暴行や、度重なる爆撃により、90人もの村民が犠牲となり、家屋や農作物に甚大な被害を受けました。戦後、イタリア政府は、占領下の苦難に耐え、困難な復興を成し遂げたピーコの住民たちの勇気と努力を称え、市民勲章銀メダルを授与しました。

人口

国立統計研究所（ISTAT）のデータによれば、2001年時点での居住地区別の人口は以下の通りです。このデータは、ピーコの人口構成を理解する上で重要な情報となります。（データは省略）

交通

ピーコの村内には、アウソニ山地を縦貫する道路SR82（SS82）が通っています。この道路は、北はサン・ジョヴァンニ・インカーリコを経由してフロジローネへと繋がり、南は約12kmの山道を経てカンポディメーレへと続いています。この道路は、ピーコと周辺地域を結ぶ重要な交通路となっています。

行政

ピーコは、フロジノーネ県南部のパステナ、ポンテコルヴォ、サン・ジョヴァンニ・インカーリコ、ファルヴァテッラと共に、グロンデ・モンティ・アウソニ山岳自治体を構成しており、その中心的なコムーネとしての役割を担っています。

ピーコは、豊かな自然と歴史的な背景を持つ魅力的な村です。第二次世界大戦の悲劇を乗り越え、復興を遂げた人々の勇気は、今もなお語り継がれています。アウソニ山地の自然に囲まれたこの地は、訪れる人々に安らぎと感動を与えてくれるでしょう。

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