ピーターマリッツバーグ

ピーターマリッツバーグ：南アフリカ、クワズール・ナタール州の州都

ピーターマリッツバーグ（Pietermaritzburg）は、南アフリカ共和国のクワズール・ナタール州に位置する都市であり、同州の州都です。しばしばPMBと略され、ヨハネスブルグと同様にピエテルマリスブルグと呼ばれることもあります。クワズール・ナタール大学が所在し、木材、アルミニウム、乳製品の主要な生産地としても知られています。人口は変動があり、およそ35万人から50万人の間と推定されています。

歴史

都市の起源は、ブラッド・リバーの戦いにおけるズールー族長ディンガネの敗北後、内陸へ移住したオランダ系移民（ヴートレッカー）によって建設されたことに遡ります。短期間存在したナタール共和国の首都となり、1843年にはイギリスがこの地を占領し、ナタール植民地の行政中心地として機能しました。

1893年には自治政府が樹立され、市庁舎と共に議会ビルが建設されました。1910年に南アフリカ連邦が成立すると、ナタール州はその一部となり、ピーターマリッツバーグは引き続き州都としての役割を担いました。

市名の由来

市名の由来には諸説あります。一つは、著名なヴートレッカーのリーダーであるピート・レティーフとヘリット・マリッツにちなむという説です。別の説では、元々はレティーフのみに由来するとされています。レティーフはズールー族長ディンガネに殺害され、マリッツはブロウクランズでのズールー族との戦いで命を落としました。1938年、市は公式にマリッツがヘリット・マリッツにちなむと発表しました。

ズールー王国の時代には、この地はウムグングンドロヴ（Umgungundlovu）と呼ばれていました。これはズールー語で「ゾウの土地」を意味し、ゾウはズールー王に対する尊称でした。

アパルトヘイト時代

アパルトヘイト時代には、市は複数の地区に分離され、インド系の住民の多くは郊外のノースデイルへ、ズールー族の住民は大半が近隣の黒人居住区イーデンデイルへ移住させられました。

マハトマ・ガンディーとの関わり

ピーターマリッツバーグは、マハトマ・ガンディーが若い頃に差別を経験した場所として知られています。1等席の切符を持っていたにもかかわらず、白人男性に席を譲ることを拒否したガンディーは、列車から強制的に降ろされました。この事件をきっかけに、ガンディーは南アフリカにおけるインド人に対する差別に反対する運動を始めることになりました。

現在、市中心部のチャーチ通りには、ガンディーのブロンズ像が建てられています。

その他の歴史的出来事

第二次ボーア戦争中、イギリスはピーターマリッツバーグに強制収容所を建設し、ボーア人の女性や子供たちを収容しました。

1962年、反アパルトヘイト活動家だったネルソン・マンデラが、ピーターマリッツバーグ北部のホウィックで逮捕されました。この逮捕は、その後の27年間に及ぶマンデラの投獄生活の始まりとなりました。逮捕現場には、記念碑が建てられています。

教育とスポーツ

1910年創立のナタール大学は、後にダーバンにもキャンパスを拡大し、1949年にナタール大学として統合されました。アパルトヘイト時代には、黒人学生を受け入れた最初の大学の一つとなりました。2004年1月には、クワズール・ナタール大学に改名されました。

スポーツも盛んで、毎年6月にはピーターマリッツバーグとダーバンを結ぶコムレイズ・マラソンが開催されます。また、1月にはドゥシ・カヌー・マラソン、2月にはミドマー・マイルという水泳大会が開催され、世界中から多くの参加者が集まります。

マリッツバーグ・ユナイテッドは、市を拠点とするプロサッカークラブです。ピーターマリッツ・オーヴァルは、南アフリカで最も美しいクリケット場の一つとされており、2003年のクリケット・ワールドカップでは2試合が開催されました。

ピーターマリッツバーグは、歴史、文化、教育、スポーツが融合した魅力的な都市です。

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