ピーター・コルベル

ペトル・コルベル：チキータの考案者、卓球界の功労者

ペトル・コルベル（Petr Korbel、1971年6月6日 - ）は、チェコ・ハヴィジョフ出身の元卓球選手です。彼の名は、卓球の台上技術「チキータ」の考案者として、広く卓球界に知られています。

生い立ちと初期のキャリア

1971年、当時のチェコスロバキアのハヴィジョフ市に生まれたコルベルは、7歳から卓球を始めました。しかし、当時はサッカー、アイスホッケー、体操など、他のスポーツにも親しんでおり、卓球の練習は週に1回程度でした。12歳頃から本格的に卓球に打ち込むようになり、ほぼ毎日練習に励むようになりました。

18歳の時、コルベルはフランスリーグで1年間プレーし、その後ドイツのブンデスリーガへと活躍の場を移します。この頃、彼のコーチを務めていたのは、かつて日本男子コーチの経験を持つマリオ・アミズィッチでした。同年、コルベルはチェコスロバキアのナショナルチームに選出され、シニア選手としてのキャリアをスタートさせました。

1991年の第41回世界選手権千葉大会男子団体では、準々決勝で強豪中国を破り、見事3位入賞を果たしました。

オリンピックと世界選手権での活躍

1996年のアトランタオリンピックでは、準決勝まで勝ち進んだものの、中国の王涛に敗れました。続く3位決定戦でも、ドイツのロスコフに惜しくも敗れ、メダル獲得はなりませんでした。しかし、このオリンピックで自己最高の4位という成績を残しました。

2003年の世界選手権パリ大会では、2回戦で中国の劉国正を破るという快挙を成し遂げました。

2005年のヨーロッパ選手権団体戦では、チームのベスト4進出に大きく貢献しました。また、2012年まで世界選手権に出場するなど、長きにわたり国際舞台で活躍しました。

主な戦績

1988年：ヨーロッパユース選手権 ジュニアの部 男子シングルス優勝
1991年：第41回世界選手権千葉大会 男子団体3位
1996年：アトランタオリンピック 男子シングルス4位
2000年：ヨーロッパ選手権ブレーメン大会 男子シングルス ベスト4
2001年：ヨーロッパトップ12 ベスト4
2004年：ITTFプロツアー・デンマークオープン 男子ダブルス優勝
* 2005年：ヨーロッパ選手権オーフス大会 男子団体ベスト4

プレースタイルと「チキータ」

コルベルは、その卓越した台上技術、特に「チキータ」と呼ばれるテクニックの考案者として知られています。「チキータ」は、短いボールをフォアハンドで、手首を使い払い打つ技術であり、現代卓球において非常にポピュラーな技術となっています。

引退後

現役引退後も、卓球界に貢献しており、後進の指導や卓球の普及活動に尽力していると考えられます。

ペトル・コルベルは、その輝かしい戦績と、卓球界に革新をもたらした「チキータ」の考案によって、卓球史に名を刻む偉大な選手の一人です。

もう一度検索