ピート・サンドヴァル

ピート・サンドヴァル

ピート・サンドヴァル（Pete Sandoval）は、1969年5月21日にエルサルバドルのサンタ・アナで生まれたアメリカのヘヴィメタルドラマーである。彼は、セイビアンシンバルとエヴァンズドラムヘッドを使用し、重厚なサウンドと圧倒的なパフォーマンスで知られている。

音楽キャリアの始まり

サンドヴァルは1986年にデスメタルバンド「テロライザー」への参加を果たし、その後急速に名を馳せる。ドラマーとしての彼の技術は、デスメタルとグラインドコアという過激なジャンルにおいて特に評価された。わずか2年後、1988年に彼は「モービッド・エンジェル」のドラマーとして活動することになった。この加入は、当時のギタリスト・ジェシー・ピンタードがナパーム・デスに加入したことで、テロライザーが解散する原因ともなった。

モービッド・エンジェルに加入する際、サンドヴァルはダブルベースドラムを用いた演奏を一度も経験していなかった。しかし、彼はすぐにこの技術を身につけるため、猛練習を開始した。加入からわずか2ヶ月後、バンドはデビューアルバム『Altars of Madness』のレコーディングに取り掛かる。その後のレコーディングでは、彼の激しいドラムプレイがバンドの音楽スタイルを大きく押し上げた。

激しい練習とパフォーマンス

モービッド・エンジェルのギタリスト・トレイ・アザトースによると、練習中、サンドヴァルは時折気を失い、汗だくになりながらも「仕事に戻る時間だ！」と言ったという逸話が残っている。彼のハードな練習と執着心は、メンバー全員に影響を与えた。また、バンドは一度、ドラムマシンで作られた音源をサンドヴァルに聞かせ、彼を驚かせるといういたずらを行った。この出来事はサンドヴァルにさらなる練習を促し、彼のドラム技術を向上させる契機となった。

健康問題とその後

しかし、2010年にサンドヴァルは椎間板ヘルニアを患い、その影響で痛みなしに演奏することができなくなった。これに伴い、ティム・イェングがモービッド・エンジェルのツアーやアルバムに参加するようになった。2011年にリリースされた『Illud Divinum Insanus』では、ティムが代わりにドラムを担当した。

その後も彼はバンドに留まっていたが、2013年12月に行われたデヴィッド・ヴィンセントへのインタビューで、正式にモービッド・エンジェルから脱退したことを明らかにする。脱退の理由としてサンドヴァルは、自身がキリスト教に目覚めたことでバンドと合わなくなったと語った。

代表的なディスコグラフィ

彼の音楽キャリアには、モービッド・エンジェルとテロライザー両方のプロジェクトが含まれており、その作品は多くのファンに愛され続けている。以下は彼が関わった主なアルバムのリストである。

モービッド・エンジェル

• - 1989年: Altars of Madness
• - 1991年: Blessed Are the Sick
• - 1993年: Covenant
• - 1994年: Laibach Remixes (EP)
• - 1995年: Domination
• - 1996年: Entangled in Chaos (ライヴアルバム)
• - 1998年: Formulas Fatal to the Flesh
• - 2000年: Gateways to Annihilation
• - 2003年: Heretic

テロライザー

• - 1987年: Demo '87 (デモ)
• - 1987年: Nightmares (デモ)
• - 1988年: Terrorizer / Nausea (スプリット)
• - 1989年: World Downfall
• - 2006年: Darker Days Ahead
• - 2012年: Hordes of Zombies

サンドヴァルは、ヘヴィメタル界において重要な存在として、そのスタイルと影響力から多くのドラマーに尊敬されている。

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