セイビアン

セイビアン（SABIAN）とは

セイビアンは、1981年にロバート・ジルジャンによってカナダで設立されたシンバルメーカーです。創業から比較的短い期間で、ジルジャン、パイステと並ぶ世界三大シンバルメーカーの一角を占めるまでに成長しました。セイビアンの歴史は、ジルジャン家の兄弟間の確執というドラマチックな背景を持っています。

創業の経緯

セイビアンの創業者であるロバート・ジルジャンは、ジルジャン社の創業者アヴェディス・ジルジャンの息子です。1977年、アヴェディスは、長男のアーマンド・ジルジャンを後継者に指名しましたが、これが兄弟間の不和の始まりでした。

ロバートは、父がカナダに設立した工場でKジルジャンシリーズの製造責任者を務めていました。しかし、ジルジャン社の経営権を握ったアーマンドは、アメリカでの製造を主張し、兄弟間で対立が激化しました。最終的に、兄弟は会社を分割することで合意。ロバートはカナダの工場を譲り受け、自身の会社を設立しました。この時、ロバートは「Zildjian」の名前を使用しないこと、ジルジャンの製品と同じものだと主張しないことを条件としました。そして、自身の子供たちの名前の頭文字を組み合わせ、「SABIAN」という社名が誕生しました。

ロバートは、セイビアンを創業からわずか数年で、世界的なシンバルメーカーに育て上げました。彼は2013年に逝去しましたが、現在は息子のアンディ・ジルジャンが社長を務めています。

製品の特徴

セイビアンは、創業当初から伝統的なB20ブロンズを使用したシンバルを製造しています。代表的なシリーズには、ハンドハンマー加工を施した「HH」シリーズと、自動ハンマー加工の「AA」シリーズがあります。

その後、より幅広い音楽ジャンルに対応するため、「HHX」や「AAX」といったシリーズも開発されました。また、ジャック・ディジョネット、フィル・コリンズ、ニール・パートといった著名なドラマーの要望に応じたシグネチャーモデルも多数発売しています。

セイビアンとジルジャンは、同じブロンズを使用していますが、セイビアンは多くのシグネチャーモデルを開発するなど、ジルジャンに比べて多様な製品ラインナップを揃えているのが特徴です。

製品ラインナップ

セイビアンの製品ラインナップは非常に豊富で、ドラムセット用からオーケストラ用まで、幅広いニーズに対応しています。

ドラムセット向け

B20キャストブロンズ製
AA
HH
AAX
HHX
XSR（比較的低価格）
FRX（レコーディングや小規模会場向け）
Artisan（ジャズ向け）
Crescent（ジャズ向け、買収したCrescent cymbals社の製品）
PARAGON（ニール・パートのシグネチャーモデル）
SR2（展示品などを再加工したリサイクルライン）
B8シートブロンズ製
B8X
ブラス製
SBr

オーケストラ、ドラム・コー向け

B20キャストブロンズ製
AA
HH
AAX
HHX
XSR
Artisan
B8シートブロンズ製
B8X
ブラス製
SBr

SABIAN Custom Shop

セイビアンでは、既存製品に加えて、シンバルの形状や加工を自由に指定できる「SABIAN Custom Shop」というサービスも提供しています。これにより、ドラマーは自分だけのオリジナルシンバルを手に入れることができます。

エンドーサー

セイビアンは、国内外の多くのドラマーに愛用されています。特に、日本のパールドラムのエンドーサーは、セイビアンのシンバルを使用していることが多いです。

海外のエンドーサー（一部）

○○
△△

日本国内のエンドーサー（一部）

○○
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まとめ

セイビアンは、創業者のロバート・ジルジャンの情熱と革新的な精神によって、世界的なシンバルメーカーへと成長しました。その製品は、多様な音楽ジャンルに対応し、多くのドラマーの創造性を刺激し続けています。

セイビアンオフィシャルサイト

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