ピート・ヘグセス

ピーター・ブライアン・ヘグセスについて

ピーター・ブライアン・ヘグセス（Peter Brian Hegseth、1980年6月6日 - ）は、アメリカ合衆国の著名なテレビ司会者、作家、そして陸軍州兵です。現在は、第2次トランプ政権において国防長官（第29代）を務めています。2014年からFOXニュースのコメンテーターとして活躍し、2017年から2024年まではFox & Friends週末版の司会者として広く知られていました。

生い立ちと学歴

ヘグセスはミネソタ州ミネアポリスで生まれ、両親はノルウェー系アメリカ人です。2003年にプリンストン大学で文学士号を取得し、2013年にはハーバード大学ジョン・F・ケネディ行政大学院で公共政策修士課程を修了しました。学業の傍ら、2003年の大学卒業後にはミネソタ州兵に入隊し、グァンタナモ米軍基地、イラク、アフガニスタンへの派遣を経験しました。

FOXニュースでの活躍

2014年にFOXニュースに参加して以来、コメンテーターとして活動し、2017年からは人気番組「Fox & Friends」の週末版の司会を務めました。その保守的な立場と歯に衣着せぬ発言で、多くの視聴者から支持を得ました。

国防長官への就任

2024年11月、再選を果たしたドナルド・トランプ大統領は、次期国防長官にヘグセスを指名しました。この指名を受けて、ヘグセスはFOXニュースとの契約を2024年11月で終了しました。

国防長官承認の道のり

国防長官への就任は、決して平坦な道のりではありませんでした。ヘグセスは過去に女性への性的暴行疑惑や過度の飲酒癖が取り沙汰され、さらに国防長官としての経験不足も指摘されました。そのため、上院での承認を得るには、多くのハードルがありました。
2025年1月14日、連邦議会上院軍事委員会に出席したヘグセスは、2017年にカリフォルニア州で発生した性的暴行に関する質問に対し、起訴はされておらず、告発者との間で秘密保持契約が成立していると主張しました。1月24日に行われた採決では、共和党からも3人の議員が反対に回ったため、賛成・反対共に50票となり、上院議長であるJ・D・ヴァンス副大統領が賛成票を投じたことで、賛成51票、反対50票という僅差で承認されました。

政治的立場と発言

ヘグセスは、その言動から「キリスト教ナショナリスト」と呼ばれることがあります。国防長官候補として臨んだ公聴会では、過去の親イスラエル的な言動から「クリスチャン・シオニスト」と呼んで抗議する者も現れ、一時中断する場面もありました。

彼は、イスラエルを強く支持し、「イスラエルがハマスの最後のメンバーを一人残らず破壊し、殺害することを支持する」と公聴会で発言しています。また、過去にはイスラエル人を「神に選ばれた民」と呼び、「神殿の丘に神殿が再建される奇跡はあり得る」とも述べています。さらに、「シオニズムとアメリカニズムは、今日の我々の世界における西洋文明と自由の最前線である」と主張しています。

パレスチナ問題においては二国家解決に反対し、ヨルダン川西岸地区に対するイスラエルの主権を支持しています。

その他の政治的見解

ヘグセスは、NATOに対して批判的な立場を取っており、NATOの再構築や、加盟するヨーロッパ諸国による負担増を主張しています。また、トルコのNATO加盟にも批判的であり、トルコのエルドアン大統領を「オスマン帝国の復活を夢見るイスラム主義者」と評しています。

イラン政府に対しては「悪の政権」と強く批判し、イランのソレイマーニー将軍殺害を支持し、イラン本土への攻撃も辞さないと主張しています。一方、ロシアのプーチン大統領を批判するものの、ウクライナへの軍事援助には反対するという複雑な立場を取っています。

中国共産党に対しても警戒心を抱いており、「アメリカを打ち負かすことに特化した軍隊を作っている」と主張しています。

イラク戦争を支持する立場であり、増派を支持する論説を発表しています。

外部リンク

Hegseth at the Princeton Tory
ピート・ヘグセス - C-SPAN

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