0戦はやと

0戦はやと：太平洋戦争を舞台にした、零戦パイロットたちの活躍とドラマ

1963年から1964年にかけて、週刊少年キングで連載され、1964年にはテレビアニメとして放映された『0戦はやと』。太平洋戦争中の日本海軍を舞台に、凄腕パイロットたちの活躍と、戦争の残酷さを描いた作品です。本記事では、漫画版とアニメ版両方の詳細について解説します。

漫画版：最強の爆風隊と、父子の絆

漫画版『0戦はやと』は、1942年のニューギニア戦線を舞台に、日本海軍が選抜した精鋭パイロット35名からなる爆風隊の活躍を描いています。その中心人物は、64機もの敵機を撃墜した凄腕パイロット、東隼人。隼人は、数々の奇策で敵を打ち破る一方で、父である黄桜隊司令官・東大佐の死をきっかけに、最強の敵パイロット・キングサタンとの因縁の戦いに身を投じていきます。

物語は、隼人がキングサタンを撃破するところで幕を閉じますが、その後は明かされていません。続編的な位置づけにある『0戦仮面』では、隼人は戦死したとされています。爆風隊のメンバーにも個性豊かな人物が揃い、それぞれが凄腕パイロットでありながら、人間的な魅力も持ち合わせています。一色強吾、石川八衛門、大山、細川といった、隼人の仲間たちの活躍も物語を彩ります。また、宮本大尉をはじめとする、指導者たちの厳しさや優しさも描かれています。

アニメ版：低予算と工夫の結晶

1964年1月21日から10月27日までフジテレビ系で放送されたテレビアニメ版『0戦はやと』は、ピー・プロダクション制作の全39話作品です。制作予算は低予算だったため、うしおそうじ（鷺巣富雄）らの工夫により、ゴンドラ式撮影スタンドやバンクシステム、実景やエアブラシなどを駆使した独特の演出がなされています。戦争を題材としているため、放送開始前には批判も受けたものの、結果的に39話まで放送されました。

アニメ版では、政治的理由から現実の国名は避けられ、敵国名はアルファベットで代用されています。主題歌は倉本聡作詞、渡辺岳夫作曲で、ボーカル・ショップやひばり児童合唱団が歌っています。オープニング映像は複数のバージョンが存在します。

主要登場人物

東隼人: 爆風隊所属のエースパイロット。64機の撃墜数を誇る。
一色強吾: 隼人のライバル的存在。爆風隊所属のエースパイロット。
宮本大尉: 爆風隊隊長。厳格な指導者だが、部下思いの一面も持つ。
キングサタン: 隼人の宿敵。アフリカの悪魔と呼ばれる凄腕パイロット。
東大佐: 隼人の父で、黄桜隊隊長。日本の撃墜王と呼ばれる。
石川八衛門: 爆風隊所属のパイロット。豪快な性格。
* 大山、細川: 隼人の親友である爆風隊所属のパイロット。

スタッフ

演出：星野和夫、製作：鷺巣富雄、脚本：倉本聡、鷺巣富雄、河野詮、合成撮影：小嶋伸介、音楽：渡辺岳夫など豪華スタッフが参加。

ビデオソフト化

これまで全39話分のビデオソフト化はされていませんが、一部エピソードや主題歌は、いくつかのビデオソフトに収録されています。

まとめ

『0戦はやと』は、漫画とアニメを通して、太平洋戦争下の日本海軍のパイロットたちの活躍と、戦争の悲劇を描いた作品です。低予算ながらも工夫を凝らしたアニメーションは、当時の技術力の高さを示しており、現在でも高い評価を得ています。戦争を題材にした作品でありながら、パイロットたちの友情や、家族愛、そして戦争の残酷さなど、様々な要素が描かれている点が魅力です。戦争を描いた作品に興味がある方、1960年代のアニメーションに興味がある方におすすめの作品です。

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