ファイブハンドレッド

ファイブハンドレッド（Five Hundred）は、英語圏で人気のあるトランプを用いたトリックテイキングゲームの一種です。このゲームは、主に2人から6人でプレイされ、勝利を目指して500点を最初に得ることが目的となります。1900年前後に、アメリカでユーカーを基にして開発されたこのゲームは、日本のナポレオンに影響を与えたとされています。

歴史

ファイブハンドレッドの名称は、ゲームで取得する点数に由来しています。明確なルールが整ったのは19世紀末であり、U.Sプレイング・カード社によって考案されました。1904年には現代のルールにほぼ近い形になり、1906年からは約56年間にわたって同社が著作権を保有していましたが、現在はその権利は消失しています。

基本ルールにおいては、当時人気のユーカーから以下のような改良点が見られます。主な違いは、プレイヤー人数です。ファイブハンドレッドでは2人から6人までがプレイ可能で、各プレイヤーに配られる手札は常に10枚です。ユーカーのように5枚ではなく、これによりゲームの戦略性が高まります。また、手札の中から3枚のカードが除外されるため、運だけでなく技術も求められる点が特徴です。加えて、ビッド制度が導入されており、ユーカーでは単に切り札を巡る競争が存在するのに対し、ファイブハンドレッドではプレイヤーの技術と戦略が重要視されています。

使用するカード

ファイブハンドレッドのプレイヤー数によって使用するカードの枚数が異なります。一般的には、プレイヤー数に応じた数のトランプカードを使用します。例えば、3人以上のときは「人数×10+3」の枚数ですが、2人の場合は33枚を使用します。また、6人で遊ぶ場合には専用の63枚のカードを使い、必ず1枚のジョーカーも含まれます。ジョーカーは最も強力なカードとして扱われ、プレイにおいてさまざまな戦略を展開する要素となります。

ルールの概要

ファイブハンドレッドは通常4人でプレイすることが多いです。向かい合った2人でチームとなり、43枚のカード（2・3・スペードの4を抜き、ジョーカーを加えたもの）を使用します。ディーラーがプレイヤーに手札を配り、残りの3枚は「ウィドー」と呼ばれる伏せたカードとして管理されます。

次に、各プレイヤーがビッドを行い、どのスートを切り札として選ぶか、何トリック獲得可能かを宣言します。ビッドは6から10の範囲で行われ、他の競技者のビッドよりも高い数値が求められます。この場合、特別なビッドとしてミゼールやオープン・ミゼールも存在します。ミゼールはトリックを取らないことを宣言するもので、これが特別な戦略のひとつとなります。

プレイの進行

ゲームが始まると、デクレアラーが手札をもとにプレイを進めていきます。最初のトリックをリードし、他のプレイヤーはリードされたスートのカードを持っていればそれを出さなければなりません。持っていない場合は、自由にカードを出すことができます。トリックを取ったプレイヤーが次のトリックをリードします。この流れが手札が尽きるまで続き、トリックの獲得数によって得点計算が行われます。

得点計算とゲームの終了

コントラクトが達成された場合、デクレアラー側は宣言したトリック数に基づき得点を計算され、達成失敗時にはマイナス点が加算されます。両チームはプレイを繰り返し、絶え間なく競い合います。500点以上得点した側、またはマイナス500点に達した側が最終的な勝者となります。

変種

ファイブハンドレッドには多くの変種が存在します。5人、6人、3人、2人のプレイ方法それぞれに微妙なルールの違いがあり、またジョーカーの使用の有無により多様性が生まれています。これにより、プレイヤーはさまざまなスタイルのゲームを楽しむことができます。

このように、ファイブハンドレッドは単なる運だけでなく、高度な戦略と技術が求められる奥深いゲームとして、多くのプレイヤーに愛されています。

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