U.Sプレイング・カード社

U.S.プレイング・カード社（USPCC）の概要

U.S.プレイング・カード社（The U.S. Playing Card Company、略称：USPCC）は、アメリカ合衆国のケンタッキー州アーランガーに本拠を置く非公開企業で、主にトランプカードの製造と販売を行っています。その歴史は1867年にさかのぼり、オハイオ州シンシナティでRussell, Morgan & Co.が創業されました。当初は多色刷りの便箋やサーカスのポスターなどを印刷する会社でしたが、1881年からトランプの製造にも参入しました。1894年にはトランプ製造部門が独立し、現在のUSPCCの形が整ったのです。

会社の成長と買収戦略

USPCCは、トランプ製造業界において多くの成功を収めており、同業他社の買収に積極的です。これにより、買収した企業のブランドを引き継ぎ、継続して製造・販売を行ってきました。このような戦略により、USPCCは業界内での地位を確立しています。

主なブランド

USPCCが展開する代表的なブランドには、以下のものがあります。

ビー（Bee）

1892年にNew York Consolidated Card Companyが発売したビーは、特にカジノ市場で人気があります。スペードのエースに描かれる「92」はその発売年を示しており、独自のダイヤモンド・バックデザインが特徴です。世界中のカジノに供給される際には、裏面に各カジノやホテルのロゴを印刷することが多く、一般向けの製品ではロゴのないデザインもあるため、さまざまなシーンで利用されています。

バイスクル（Bicycle）

1885年に発売されたバイスクルカードは、手品用としての需要も非常に高く、滑らかな質感が特徴です。このブランドでは、ギャフカード（仕掛けカード）や「モーターサイクル」や「オートモービル」など、多彩なデザインが用意されています。特に、日本市場向けにコラボレーションデザインのカードも存在し、マジックの愛好者にとって必要不可欠な存在と言えるでしょう。

タリホー（Tally-Ho）

タリホーは1885年にAndrew Dougherty社から発売され、USPCCが1907年に買収しました。円形模様の「サークル・バック」や扇子のデザインの「ファン・バック」など、独自のデザインが人気です。以前はお手頃な価格の「アビエーター」や「バイスクル・セカンド」も販売されていましたが、現在は生産が停止されています。

OEM生産や特異なエピソード

USPCCは自社製品だけでなく、OEM生産にも力を入れており、他社向けの製品も手がけています。1958年には、日本の任天堂社長が工場視察を行い、世界的なシェアを誇る企業にもかかわらず思いのほか小規模なオフィスに驚いたエピソードがあります。これを機に、多角的な事業展開を決意したと言われています。

最近の動向

2019年12月には、ベルギーに本社を置くカルタムンディ社に買収され、子会社化されました。また、イラクの容疑者のトランプカードには、USPCCが商標登録していたジョーカーの絵柄が使用されていました。これにより、同社のブランド力がさらなる露出を得る結果となったのです。

結論

USPCCは、トランプ市場での長い歴史と多様なブランド展開を通じて、今もなおプレイヤーたちに愛され続けています。

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