ファイル (GNOME)

ファイル (旧称: Nautilus) について

ファイル（以前はNautilusとして知られていました）は、GNOMEデスクトップ環境の標準GUIファイルマネージャです。その起源はEazel社によって開発されたNautilusに遡ります。当初は動作速度が遅いと批判されましたが、その後の開発でGNOMEとの統合性や軽量化が進められました。GNOME 3.6以降、「ファイル」という名称に変更されましたが、現在でもパッケージ名やコマンド名には「nautilus」が用いられています。

歴史

Nautilusは、もともとEazel社によって開発され、2001年3月14日にバージョン1.0がリリースされました。しかし、その直後の2001年5月にEazel社が破産したため、開発はオープンソースコミュニティに引き継がれることになりました。Eazel社時代からGPLライセンス下で開発が行われていました。

バージョン1.0がリリースされた当初、Nautilusはその動作速度の遅さから批判を受けました。GNOME 1.4では、標準ファイルマネージャがGMC (Gnome Midnight Commander) からNautilusに変更されたため、GNOME自体も批判の対象となりました。しかし、2002年にリリースされたGNOME 2.0用のバージョン2.0以降は、GNOMEとの統合性や軽量化が図られ、改善が進みました。例えば、アイコンがオウム貝の絵からフォルダの絵に変更されたのは、GNOME Human Interface Guidelines（HIG）に準拠するためです。また、デスクトップフォルダが `~/Desktop` に変更されたのは、freedesktop.orgの標準に合わせたものです。

GNOME 2.5のNautilusからは、フォルダを開くごとにウィンドウが開くスペイシャルモードが採用され、高速化が図られました。ただし、従来のブラウザモードに切り替えて使用することも可能です。

GNOME 3.6以降、アプリケーションの名称が「Nautilus」から「ファイル」に変更されました。しかし、2015年11月時点でも、GNOME公式Wikiページの「ファイル」アプリケーションのページには、「Nautilus」という名称が残っており、パッケージ名やコマンド名も「nautilus」のままです。

主な機能

ファイルには、以下のような特徴的な機能があります。

GVfsによるリモートファイルシステムへのアクセス: FTP、Windows Server Message Block (SMB) 共有、OBEX、Files transferred over shell protocol (FISH)、HTTP、WebDAV、SFTPなどのリモートファイルシステムに透過的にアクセスできます。
サムネイル表示: アイコン、テキストファイル、画像などのサムネイルを表示できます。
サイドバー: ファイルやフォルダへのアクセスを容易にするサイドバーを備えています。
エンブレムの設定: ファイルやフォルダにエンブレムを設定し、視覚的に区別できます。
背景の設定: ファイルマネージャの背景を設定できます。
ブックマーク機能: よく使うフォルダをブックマークとして登録できます。
タブ表示機能: 複数のフォルダをタブで切り替えて表示できます。
拡張ペイン: 2つのディレクトリを同時に表示する機能があり、ファイルの移動やコピーが容易に行えます。
GStreamerによる音声ファイルの再生: GStreamerを利用して音声ファイルを再生できます。
メディア挿入時のアクション: メディアが挿入された際の動作を設定できます。

関連項目

Dolphin
Konqueror
Nemo
Thunar

脚注

[1]

外部リンク

* ファイルの公式サイト

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