ファストグリーンFCF

ファストグリーンFCF：鮮やかな緑色の着色料

ファストグリーンFCFは、鮮やかな緑色を呈する合成着色料です。別名緑色3号として知られており、食品や工業製品など幅広い用途で使用されています。常温では、無臭の粒状または粉末状の固体として存在し、その分子式はC37H34N2Na2O10S3、分子量は808.87です（CAS登録番号: 2353-45-9）。

用途

ファストグリーンFCFの主な用途は着色料です。食品業界では、菓子や清涼飲料水などの着色に多く用いられています。また、工業製品の着色にも広く利用されています。かつては、旧厚生省によって天然に存在しない添加物として分類されていました。

安全性

[FAO/WHO合同食品添加物専門家会議|FAO_WHO合同食品添加物専門家会議]による毒性試験では、短期毒性、長期毒性、および発がん性は見られませんでした。さらに、国際がん研究機関(IARC)による発がん性リスク評価においても、発がん性は確認されておらず、Group 3に分類されています。これらの試験結果は、ファストグリーンFCFの安全性に関する一定の信頼性を示唆しています。

各国の規制

しかしながら、ファストグリーンFCFの使用に関する規制は国や地域によって異なります。欧州連合（EU）では、以前は食品添加物として認可され、E番号（E143）が割り当てられていました。しかし、1989年のEU通達89/398/EECにおいて、「乳幼児期の児童に対しては健康上の特別な利益のない食品添加物を摂取させるべきではない」という方針が示されたことを受け、2008年の法律改正(REGULATION (EC) No 1333/2008)以降は、EU域内での使用は許可されていません。

一方、アメリカ合衆国では、連邦食品・医薬品・化粧品法(FD&C法)のCHAPTER VII，SUBCHAPTER B--COLORSに基づき、“FD&C Green No.3”として、食品、医薬品、化粧品への添加物として認可されています。

まとめ

ファストグリーンFCFは、安全性の高い着色料として認識されてきましたが、その使用に関しては、各国・各地域の規制に則る必要があります。安全性に関する情報は、JECFAやIARCといった国際機関の評価を参考にすることが重要です。今後も、最新の科学的知見に基づいた安全性の評価と、適切な規制が求められます。今後も、新たな研究や情報に基づき、ファストグリーンFCFの安全性に関する理解を深めていくことが重要です。食品を選ぶ際には、表示をよく確認し、必要に応じて情報を収集することが推奨されます。

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