ファストトラベル

ファストトラベルとは

ファストトラベル（Fast Travel）は、特にオープンワールドゲームにおいて利用されるメカニズムで、プレイヤーが既に探索済みの地点間を短時間で移動できる機能です。これは事実上、瞬間移動を可能にするもので、他の用語としてはワープやテレポートと呼ばれることもあります。代表的なゲームには、ドラゴンクエストシリーズの「ルーラ」や、Dark Soulsシリーズの「篝火」などがあります。

ファストトラベルの特徴

一般的に、ファストトラベルはゲーム内のメニューから実行されます。世界地図や乗り物、セーブポイントなどの情報が表示された際に、ファストトラベルを選択することができるのです。プレイヤーがこの機能を利用すると、ある場所から別の場所に瞬時に移動しますが、時には移動したとみなされる時間が経過することもあります。この効果により、徒歩や乗り物での移動をイメージさせる要素が加えられることがあります。

ファストトラベルは広大なゲーム世界を手軽に移動するために使われますが、特定のエリア内部の移動にも利用されることがあります。この機能はプレイヤーにとっての便利さを提供しますが、ゲームの雰囲気やリアリティを損なうことがあるため、時には批判を受けることもあります。

多くのゲームタイトルではファストトラベルが自由に行えますが、中には特定のアイテムや条件を必要とする場合もあります。たとえば、テントや魔法のお守りを入手したり、一定のマジックポイントを消費することでファストトラベルが可能になる設計がされています。

通常、プレイヤーが利用する乗り物や乗れる生き物（馬など）は、瞬時に移動することはできませんが、少しだけスピードを上げる代替手段として使用されることもあります。

プレイヤーの評価

ファストトラベルに関しては多様な意見があります。GameCrateのダグ・エールは、ファストトラベルを「便利な機能」と称し、忙しい現代のプレイヤーにとって有用であるとしています。しかし、彼はこの機能を使うことで得られる体験が薄まる可能性があるとも示唆しています。

一方で、「Rock, Paper, Shotgun」のブレンダン・コールドウェルは、ファストトラベルを好まず、MODを使って「The Elder Scrolls V: Skyrim」をファストトラベルなしでプレイすることで、より充実した遊び方ができたと述べています。彼は、ファストトラベルが旅の感覚を損ねるとし、徒歩での移動をわざわざ設計しているゲームの例を挙げています。

さらにKotakuのパトリシア・ヘルナンデスは、ファストトラベルを使用せずに『Fallout 4』をプレイすると、ゲームの印象が全く異なると体験を語り、またカーク・ハミルトンも『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』でファストトラベルを減らすことの魅力を提案しました。

ゲームのデザインによっては、ファストトラベルを使用しないことで、ゲーム世界をより広大かつリアルに感じさせる狙いがあります。『World of Warcraft』にはファストトラベルがなく、プレイヤーはマウントを利用する制限が設けられていますが、ポータルを用意するなどファストトラベルのような要素も存在します。

まとめ

ファストトラベルは、ゲーム体験において便利さを提供する一方で、体験の深さを損なう可能性をも孕む機能です。プレイヤーがどのようにこの機能を利用するかによって、ゲームの楽しみ方は大きく異なるのです。

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