ファニー・アルダン

ファニー・アルダン：フランスを代表する女優の輝かしいキャリアと波乱の人生

ファニー・アルダンは、1949年3月22日、フランスのソミュールに生まれ、モナコで育ったフランスの女優、映画監督、そして舞台演出家です。セザール賞最優秀女優賞を受賞するなど、フランス映画界を代表する存在として知られています。

アカデミックなバックグラウンドと演劇への目覚め

アルダンは、フランスに戻り、名門校であるエクサン＝プロヴァンス政治学院を卒業しています。その後、ロンドン在仏大使館での勤務を経て、20代前半から演劇への関心を深め、本格的に演劇の世界へと足を踏み入れます。1973年に演劇学校に入学し、翌年には初舞台を踏みました。1976年には映画デビューを果たし、女優としてのキャリアをスタートさせました。

トリュフォーとの出会い、そしてブレイク

アルダンの転機となったのは、1979年のTVミニシリーズ『Les dames de la côte』での演技でした。この演技は、巨匠フランソワ・トリュフォーの目に留まり、『隣の女』のヒロインに抜擢されます。この作品での鮮烈な演技は、アルダンを一躍スターダムへと押し上げました。その後もトリュフォー監督作品『日曜日が待ち遠しい!』に主演するなど、トリュフォーとのコラボレーションは彼女のキャリアにおいて重要な位置を占めています。私生活でもトリュフォーとパートナーとなり、娘をもうけています。

多言語を駆使した国際的な活躍

アルダンはイタリア語、スペイン語、英語に堪能で、その言語能力を生かし、フランス映画にとどまらず、スペインやアメリカの映画にも出演しています。国境を越えた活躍で、国際的な知名度を獲得しました。

セザール賞受賞と数々のノミネート

アルダンの演技力は高く評価されており、1997年には『ペダル・ドゥース』でセザール賞最優秀女優賞を受賞しました。さらに、『隣の女』『日曜日が待ち遠しい!』『8人の女たち』『麗しき日々』などでも同賞にノミネートされるなど、数々の賞レースでその名を挙げました。

赤い旅団に関する発言と謝罪

一方で、アルダンはイタリアの極左テロ組織である赤い旅団について、物議を醸す発言をしています。「魅力的で情熱的」と評しただけでなく、同組織の設立者の一人であるレナート・クルチオを賞賛する発言も行ったことから、イタリア国内で強い批判と抗議の声が上がり、後にアルダンは謝罪声明を発表しています。

多彩な活動：監督、舞台演出、そして舞台女優として

女優としての活動以外にも、アルダンは映画監督や舞台演出家としても活躍しています。監督作品には『灰と血』などがあり、舞台演出ではパリ・シャトレ音楽劇場などでオペラやミュージカルの上演を手掛けています。また、舞台女優としても精力的に活動し、古典劇から現代劇まで幅広い作品に出演、モリエール賞にもノミネートされています。ピエール・コルネイユ、ジャン・ラシーヌ、モリエール、ストリンドベリ、ピランデッロなど、著名な劇作家たちの作品にも数多く出演しています。 イザベル・アジャーニの降板による急な代役を務めた『ドン・ジュアン』も記憶に残る舞台です。 サラ・ベルナールを演じた舞台など、数々の名演を披露し観客を魅了してきました。

まとめ

ファニー・アルダンは、卓越した演技力、多言語能力、そして映画監督や舞台演出家としての才能を兼ね備えた稀有な存在です。数々の賞に輝き、フランス映画界に多大な貢献を果たしてきました。赤い旅団に関する発言は残念な出来事ではありましたが、彼女の豊かなキャリアと才能は、今後も多くの人々を魅了し続けることでしょう。

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