ファーガソン (企業)

ファーガソン（Ferguson plc）について

ファーガソン（Ferguson plc）は、アメリカ合衆国を中心に、住宅や企業、公共団体向けの配管や暖房機器の卸売事業を展開する会社です。本社はイギリスのバークシャー州ウォーキングハムに位置し、登記上の本店はジャージー島にあります。この企業はニューヨーク証券取引所とロンドン証券取引所にも上場しています（NYSE: FERG、LSE: FERG）。

沿革の概要

ファーガソンの歴史は1887年に遡ります。オーストラリア・ニューサウスウェールズ州で、発明家のフレデリック・ウーズレーが羊毛刈取機を生産するウーズレー羊毛刈取機械会社を設立したことから始まります。この事業は、需要の変動に備えて多角化が図られました。1889年には会社がイギリス・バーミンガムに移転され、ウーズレー・エンジニアリング・リミテッド（Wolseley Engineering Limited）が設立されました。

1894年にはウーズレーが一線を退き、その後ハーバート・オースチンが中心となって自動車製造に乗り出しました。これにより、自動車部門は大衆の人気を博し、大きな成功を収めました。それ以降も農業機械や電気柵の製造を行いつつ、1960年にはNu-Way Heatingを買収し、1965年にはGranville ControlsとYorkshire Heating Suppliesを傘下に収めることで配管・暖房器具メーカーとして成長していきました。

アメリカ市場への進出は1982年に、Ferguson Enterprises Inc.を傘下に置く形で始まりました。その後もさまざまな企業を買収し、1992年にはフランスの配管業者Brossetteを買収し、次第に欧州にも展開を広げました。2000年には配管・資材以外の事業を売却し、後にオランダのWascoやスイスのToblerを買収しました。

名前の変更とその後

2017年には、グループ名をウーズレーplcからファーガソンplcへと変更しました。現在、ファーガソンは住宅向け配管事業においてアメリカ最大手として位置づけられており、イギリスの事業と比較しても4倍以上の収益を上げています。2018年にはデンマークにある子会社Stark Group A/Sを売却し、2021年にはイギリス事業の売却を発表しました。これにより、北米市場に特化した企業へと変貌を遂げ、2022年にはメインの上場をニューヨーク証券取引所に移転しました。

事業展開

現在、ファーガソンはアメリカとカナダで事業を展開しており、特に住宅向けの事業が全体のほぼ半数を占めています。傘下にはファーガソンInc.（Ferguson Enterprises Inc.）の他、カナダ市場向けにWolseley Canadaなどが存在します。

今後もファーガソンは、配管や暖房関連機器の卸売を通じて、さらなる成長と発展を図っていくことでしょう。

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