クリーブランド級軽巡洋艦

クリーブランド級軽巡洋艦は、アメリカ海軍が第二次世界大戦中に建造した軽巡洋艦の艦級です。この艦級は、1937年のロンドン海軍軍縮条約失効後に、アメリカ海軍が大規模な海軍拡張計画の一環として開発されました。当初、アトランタ級の拡大版として計画されましたが、主砲の開発が間に合わず、ブルックリン級軽巡洋艦の設計を踏襲することになりました。

設計

クリーブランド級の主砲は、セント・ルイス級と同じく、Mk.16 47口径6インチ砲を三連装砲塔に搭載しました。しかし、前甲板と後甲板にそれぞれ2基ずつ、合計12門と、セント・ルイス級の15門から削減されました。その一方で、対空火力を大幅に強化するために、Mk.12 38口径5インチ両用砲を12門（連装6基）に増備し、56口径40mm機関砲などの高角機銃も多数搭載しました。この対空火力の強化が、クリーブランド級の大きな特徴の一つです。

配備

1940年度計画で4隻の建造が決定し、その後、1941年度計画で32隻、1942年度計画で16隻が追加されました。合計52隻が計画されましたが、3隻が建造中止となり、13隻が発展型のファーゴ級に、9隻が軽空母のインディペンデンス級に設計変更されたため、最終的にクリーブランド級として完成したのは27隻でした。

運用史

クリーブランド級は、太平洋戦争において、その優れた能力を存分に発揮しました。特に、「クリーブランド」「コロンビア」「モントピーリア」「デンバー」の4隻は、1943年11月のブーゲンビル島沖海戦で、日本海軍の襲撃部隊に対して大きな戦果を挙げました。この海戦では、天候が悪く、視界が悪い状況下でも、レーダー射撃を駆使して、日本海軍の軽巡洋艦「川内」と駆逐艦「初風」を撃沈するなど、その高い戦闘能力を証明しました。

その後、クリーブランド級は空母機動部隊の護衛や、上陸作戦の火力支援（艦砲射撃）などで活躍しました。これらの作戦を通じて、アメリカ海軍の反攻を支える重要な役割を果たしました。

戦後、多くの艦はスクラップとして解体されましたが、一部の艦は艦対空ミサイルシステムを搭載してミサイル巡洋艦に改装されました。「スプリングフィールド」「トピカ」「プロビデンス」はテリアシステムを搭載してプロビデンス級ミサイル巡洋艦、「オクラホマシティ」「リトルロック」「ガルベストン」はタロスシステムを搭載してガルベストン級ミサイル巡洋艦となり、1970年代まで現役を続けました。また、「ヴィンセンス」「ウィルクスバリー」「アトランタ」の3隻は、実験艦や標的艦として使用された後、処分されました。

クリーブランド級は、その高い汎用性と、優れた性能から、アメリカ海軍の歴史において重要な役割を果たした艦級の一つといえるでしょう。

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