ファースト・バンド・オン・ザ・ムーン

『ファースト・バンド・オン・ザ・ムーン』は、スウェーデンの人気バンド、カーディガンズが1996年にリリースした3枚目のスタジオ・アルバムです。母国スウェーデンでのリリース後、日本を含む世界各国で発売され、バンドの知名度を飛躍的に向上させるターニングポイントとなりました。

背景

アルバムには、ブラック・サバスの代表曲「アイアン・マン」のカバーが収録されていることも特徴です。この曲と「ルーザーズ」には、「ファースト・トライ」と呼ばれる初期バージョンが存在し、シングルのカップリングとして発表された後、コンピレーション・アルバム『ジ・アザー・サイド・オブ・ザ・ムーン』（1997年）にも収録されました。

反響

本作は、スウェーデンのアルバム・チャートで初登場2位を記録し、カーディガンズにとって初のトップ10入りを果たしました。日本でもオリコンチャートで最高6位を記録し、初のトップ10入りを達成。ニュージーランドでは、アルバム・チャートで初登場26位から翌週には12位まで上昇。全英アルバムチャートでは10週にわたりチャートインし、最高18位を記録しました。アメリカでは、1996年にBillboardのトップ・ヒートシーカーズで3位、1997年にはBillboard 200で35位に達しました。

アルバムからの最初のシングル「ラヴフール」は、1996年公開のアメリカ映画『ロミオ+ジュリエット』のサウンドトラックに起用され、世界的な大ヒットを記録しました。1997年にはニュージーランドのシングル・チャートで1位、全英シングルチャートで2位を獲得。「ビーン・イット」は全英シングルチャートで56位、1997年にシングルカットされた「ユア・ニュー・ククー」は全英35位を記録しました。

また、カーディガンズはアメリカの人気テレビドラマ『ビバリーヒルズ青春白書』のシーズン7最終回に本人役で出演し、本作収録曲である「ラヴフール」と「ビーン・イット」を演奏しました。

収録曲

1. ユア・ニュー・ククー - "Your New Cuckoo"
2. ビーン・イット - "Been It"
3. ハートブレイカー - "Heartbreaker"
4. ハッピー・ミールII - "Happy Meal II"
5. ネヴァー・リカヴァー - "Never Recover"
6. ステップ・オン・ミー - "Step on Me"
7. ラヴフール - "Lovefool"
8. ルーザーズ - "Losers"
9. アイアン・マン - "Iron Man"
10. グレイト・ディヴァイド - "Great Divide"
11. チョーク - "Choke"

日本盤ボーナス・トラック

12. カントリー・ヘル - "Country Hell"
13. ブラー・ブラー・ブラー - "Blah Blah Blah"

参加ミュージシャン

ニーナ・パーション - ボーカル
ピーター・スヴェンソン - ギター
ラッセ・ヨハンソン - キーボード、ギター
マグナス・スヴェニングソン - ベース
ベングド・ラガーバーグ - ドラムス、パーカッション

アディショナル・ミュージシャン

リネット・コヤナ - バッキング・ボーカル(on #1)
David Wilczewski - [フルート]
Åsa Håkansson - [ヴァイオリン]
Maria Holm - [ヴァイオリン]
Inga Zeppezauer - [ヴァイオリン]
Mattias Svensson - [ヴァイオリン]
Ronnie Weber - [ヴァイオリン]
Gabriele Freese - [ヴァイオリン]
Anna Bergström - [ヴァイオリン]
Petter Lindgård - [トランペット]
Patrik Bartosch - [クラビネット]
Ulf Turesson - バッキング・ボーカル(on #3)
Annette Helmers - [チェロ]
Ivan Bakran - チェロ、ダブル・ベース(on #10)
Jens Lindgård - [トロンボーン]
* Sven Andersson - [サクソフォーン]

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